▼never young beach - 明るい未来
昨年リリースしたアルバム「YASHINOKI HOUSE」で一気にその名を知らしめたnever young beach (通称ネバヤン)。今年も夏を前に新作をリリースした彼らに、PowerPush!でオンエア中の名曲「明るい未来」についてやバンドのこれまでについてざっくばらんに語ってもらいました。安部勇磨(Vocal&Guitar)、阿南智史(Guitar)、松島皓(Guitar)、巽啓伍(Bass)、鈴木健人(Drums)のメンバー全員が登場!
Text_加藤蛍 Photo_依田純子
安部:これは監督の安井達郎さんと僕とで大まかな構成を詰めて作ったMVなんですけど、当初の計画だと、僕が街をぶらぶら散歩したり、観葉植物に囲まれている自然体っぽい映像にしたいということだったんです。でも、散歩したりって普段からやっていることだから、どうせなら今までにやったことをないことをしてみたいんですってリクエストを出して。
鈴木:そうだったんだ。
安部:みなさん、僕たちの音楽性から自然体って形容してくれることが多いんですけど、ちょっと違う面を出したくて。THE STROKESのビデオで、メンバーがタキシード着て古い洋館で演奏しているかっこいMVがあるから、そういうことをやりたいんですって主張して、結局洋館は見つからなかったんで白バックになりましたけど。
松島:僕たちも初めて聞く話ばかりです。
安部:ぼろくて汚いチープな場所に、タキシードを着ている僕たちがいるっていうミスマッチを出したかったんですけど、結果的にゼクシイのCMみたいになりましたね。
安部:最初、カップルのシーンで自撮り棒を使いたいって安井さんに提案されて。ピンとこなかったんですけど、日本らしい文化だからって安井さんが絶対に譲らなくて。で、完成したMVを見たら自撮り棒がすごく活きていて、すごく良かったですね。
安部:まとめるってことでもないけど、MVやジャケットを決めるときは、まずは僕にもらって、微調整して、メンバーに相談する、という流れが多いです。
安部:僕とまっちゃん(松島)が、前に同じバンドに在籍していて。そのバンドの後に、2人でやるようになって。しばらくしてから、ネットでバンドメンバーを募集して集まったのが、スズケン(鈴木)、たっつぁん(巽)、阿南の3人。
松島:募集した時点でライブが決まっていたから、とにかく人を集めないといけなくて。
安部:一緒にスタジオ入って、合いそうな人たちが残っていったという感じですね。
安部:僕は、ダメだと思ったことは結構すぐ言いますね。あとは、never young beachの名前で5人が活動しているから、そこに自覚を持てっていうことは口を酸っぱくして言ってます。例えば、まっちゃんが鼻ほじりながら歩いてたってSNSで書かれたら、バンド自体にそういうイメージがついちゃうから。1人の無責任な行動や発言を、5人でシェアしないといけないから、そういうことはすごく言います。
鈴木:いつどこで誰が見てるかわからないからね。
安部:あとは、ミスにも厳しいですね。一回のミスで、このバンド良くないって思われるのは悔しいから。100%でやったライブを観た人に、好みじゃない、合わないって判断されるのは構わないけど。そうじゃない状態を作りたくないんですよね。
阿南:だいたい、怒られるのは僕かまっちゃん。
安部:たっつぁんとスズケンはたとえミスがあったとしても、自分で気づいて、反省するタイプ。僕もそっちのタイプなんですけど、阿南とまっちゃんはすぐヘラヘラするんですよ。そういうところが好きだし、かわいいって思うけど、ギタリストだから目立つんですよ。昔のライブ映像とかYoutubeで見ると、音外してたりとかするし(笑)
松島:あれはね、消してほしいですね。
安部:だから、ライブ中に何か気づいたらすぐ言います。でもそれが何回も重なると、爆発しちゃうんですけどね。
安部:記憶の限りではないですね。
鈴木:行動の筋が通ってて、一貫性があるから、言われてもその通りだなってみんな納得できるんですよね。
安部:僕は時間に遅れたりとかしないタイプなんで、たまに遅れたりしても、普段の積み重ねがあるからみんな何も言えないんですよ。人間、積み重ねが大事です。それをね、わかってほしい。
安部:ネバヤンはファミリーっぽいってたっつぁん言ってたよね?
巽:うん、そう思ってるけど、改めて言うと恥ずかしいね。
阿南:当たり前のように5日連続で会うとか、普通になってるもんね。
安部:本当の家族より家族っぽいですよ。僕、本当の弟に対しては、こんなに怒ったりしないですもん。だから僕が阿南と松島を怒るけど、裏では鈴木と巽が、2人のことをフォローしてほしいんですよ。それでも阿南と松島に響いていないなって思うと、鈴木と巽を怒ります。
鈴木:そうそう、結果、俺らにも飛び火してくるから。やっぱりバンドって運命共同体なんですよね。
安部:これは、バンドの関係性はもちろん、いまの僕が関わっている人たちのことでもあって。「YASHINOKI HOUSE」を発表して、環境がガラリと変わった1年だったんですよ。たくさんの人と出会う中で、素敵な人としか一緒にいたくないなって心の底から思うようになって。やっぱり、ダサいと感じる人には、そう感じさせる理由がハッキリとあるんだっていうこともわかったし。だからこそ、いま一緒にいてくれる人たちのことを考えて。
安部:ピンクで、派手にしたかったんです。「YASHINOKI HOUSE」がキャッチーだったから、同じテイストで揃えてイメージが固定されてしまうのは避けたかったので。僕たちはいろんなことが出来るんだよ、というのを提示したかったという気持ちも大いにあります。
安部:最初は全然そんなことなくて。むしろ、12月に出したいって提案したこともあったんです。冬の歌もちゃんとあるし。でも、マネージャーさんが「やっぱり、ネバヤンは夏でしょ」ってことで決まりました。僕ずっと夏が好きじゃなかったんですけど、最近はもう、夏にしかアルバムを出したくないなって思うようになってきていて。
鈴木:うん、賛成。
松島:いいと思う。
安部:開放的でいいじゃないですか。日本人が、外国の人と同じテンションになれるのって夏くらいですしね。夏は生命力にみなぎってて、パワフルで。僕らも、タフで、常に生き生きしているような、そういうバンドでありたいって思っているので。どこかで一度、なかやまきんに君とか、照英さんとかが再評価される流れが来て欲しいって真剣に願ってますよ。ネバヤンってファッション的なバンドとしてカテゴライズされることも多いけど、服が好きなのは息を吸うくらい当たり前のこととして前提にあって。その上で、寝ないでゲームしたいし、みんなで大富豪とかしたいし、すた丼も食べたいんですよ。別におしゃれでもなんでもないんですけど、そういう本質の部分を気づいてくれる人は、気づいてくれてるから。核の部分は変わらず、ダサいことは絶対にしたくないし、常にかっこよくありたいと思ってます。
鈴木:根っこは変わらないけど、音的なものも変わってきてますね。昨日レコーディングした曲とか、かなり筋肉質でしたし。
安部:やっぱり、僕らは違うことがやりたいから。いま、こんなことやってる人いないなーってことにトライしたい。僕らがやれば、絶対にかっこいいものになるっていう自信もあるし。
巽:早くライブでやりたいよね。
安部:僕らの持つポテンシャルで、より多くの人が聴いてくれるように最善を尽くしたいんです。僕らだけが楽しいっていうのは、ちょっと飽きてきて。わかる人だけわかればいい、じゃなくて、わからない人がパッと聴いてもかっこいい。そんな風になりたいんです。
安部:そうですね、ライブはたくさんやります。キセルと共演できたり、曽我部さんに「ネバヤンはダメなところがひとつもない」なんて言葉をかけていただいたり、最高の経験をしているので。今年も、さらなる良い思い出を作りたいですね。
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安部勇磨(Vocal&Guitar) ![]() 兄ちゃんに教えてもらって聴いたのが一番最初。すごいロックだけど、レコードで聴きたい感じというか、生活になじむ。うるさくないし、メロが童謡っぽくて。言ってることも簡単な言葉で拙いけど、真理ばかりを突いていて。最近また、改めてこの人の言葉遣いすごいな、と再認識しているところです。 |
阿南智史(Guitar) ![]() 今でもたまに聴きます。そのたびに、シンプルでかっこいいなって。リードギターが2人いるので、1人で弾くところを2人で弾くと、響きや聴こえ方が全然違うんだな、ということをストロークスから学びました。 |
松島皓(Guitar) ![]() 親が好きだったみたいで昔から家ではThe Bandやビートルズが流れていたから自然な成り行きで聴くように。おそらく母のお腹にいた頃から聴いてたんじゃないかと思うので、僕の弾くギターが古いのも、きっとそのせい。今でも好きで、よく聴きますね。 |
巽啓伍(Bass) ![]() 小学生の時に母親と一緒に観ていて流れてきたのが、この映画のサントラに入っているエリオット・スミスの曲。そこからデヴェンドラ・バンハートのようなフォークっぽい音楽に入ってるベースが好きになるきっかけに。弾きすぎないけど存在感があるベースというスタイルは、影響を受けています。 |
鈴木健人(Drums) ![]() 高1の時に中村達也さんがきっかけでドラムに興味を持って。彼のことを色々と調べたりする内に、レッドツェッペリンを知ったり、いろんな音楽を知る機会をもらいました。たまにDVDを観ては、最高だって心の中でガッツポーズしてます。 |
POWER PUSH!
毎月注目アーティストの一曲をピックアップし、
そのミュージックビデオをヘビーローテーションでオンエア!