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POWER PUSH! 2015年10月のアーティスト
ShibuyaK / DAOKO

ShibuyaK / DAOKO

アーティスト

プロフィール

15 歳の時にニコニコ動画へ投稿した楽曲で注目を集め、2012 年に 1st Album『HYPERGIRL- 向こう側の女の子 -』発売。ポエトリー・リーディング、美しいコーラス・ワーク、ラップを絶妙なバランスで織り交ぜ、他にはない独特の歌詞をみずから紡ぎだす。

インターネットというベールに包まれ活動するミステリアスな彼女の存在はたちまち高感度のクリエイターを中心に広がり、わずか 16 歳にして、m-flo に見出され 2013 年に m-flo+ daoko による楽曲『IRONY』が映画「鷹の爪 ~ 美しきエリエール消臭プラス ~」の主題歌に起用。

さらに、中島哲也監督の目に止まり、2014 年公開映画「渇き。」では「Fog」が挿入歌に抜擢される。同年、庵野秀明率いるスタジオカラーによる短編映像シリーズ「日本アニメ (ーター) 見 本 市」( 公式サイト http://animatorexpo.com/) の 第 3 弾 作 品「ME!ME!ME!」の音楽を、TeddyLoid と担当。世界各国から大きな注目を集める。

その後、2015 年 3 月、女子高生にして TOYʼS FACTORY から 1st アルバム『DAOKO』にてメジャーデビュー。 彼女らしい独特の世界観はそのままに、新進気鋭トラックメーカー、そして GREAT3 片寄明人 が参加した 7 組と楽曲を制作。8 月 17 日には渋谷WWW での初ワンマンライブを行い、同チケットは即日完売となる。10 月 21 日には Double A Side 1st シングル「ShibuyaK / さみしいかみさま」をリリース。2 本の大型 MUSIC VIDEO 企画が決定。第一弾は、日本アニメ(ーター)見本市にて公開されている、吉崎響 × DAOKO 企画。スタジオカラーによるアニメーションミュージッ クビデオ「GIRL」。第二弾は、DAOKO 初の顔出しとなり、天才・児玉裕一監督によるミュージックビデオ「ShibuyaK」。その全貌が明らかになる。

オフィシャルサイト

▼ DAOKO - ShibuyaK

Power Push! Interview


弱冠18歳にして、いま日本のポップカルチャーを担う多くのクリエイターたちから熱い注目を集める女性シンガーがいる。その名はDAOKO(だをこ)。高校在学中にニコニコ動画に投稿した楽曲から人気に火がつき、すでにインディーズ時代には3枚のフルアルバムをリリース。儚げな歌声で紡ぐリリックは、ティーンの女の子が抱く繊細で感じやすい心をありのままに映し出してる。そんなDAOKOが10月21日に初の両A面シングル『ShibuyaK / さみしいかみさま』をリリースした。これまでは一切素顔を出さずに活動をしてきたDAOKOだが、今作のミュージックビデオでは本人が顔を出して登場。そこには、アーティストとしての大きな一歩を刻む覚悟と揺らぎが見てとれた。

Text 秦理絵 Photo 依田純子

―今回のアーティスト写真とミュージックビデオから、初めて顔を出して活動をすることになりましたね。

DAOKO:そうなんです。顔を出すことは人生の大きな転機だなっていうのはすごく感じてます。こういう人間なんだってことを全部曝した状態になったので。インディーズのときは一切顔を出さずに活動してたんです。学業と両立させたいっていう想いもあったし。それが逆にミステリアスって表現できたり、自分の音楽性にも合ってたし、良かったんですけどね。それが今年の3月にメジャーデビューして、いろいろな人と繋がっていくことを考えたときに、もっと面と向かって、わたしの音楽を聴いてくれるリスナーさんと対峙したいと思うようになったんです。そういう心境の変化もあって、今回の1stシングルで顔を出すことにしました。

―よりリスナーと向き合いたいっていう気持ちはいつごろ芽生えてきたんですか?

DAOKO:8月に渋谷WWWで開催したワンマンを経て、変わったのかなと思います。インディーズのときも、ライブはやってたんですけど、ワンマンは本当に初めてで。ロングセットのライブで、わたしだけを見に来てくれるお客さんに向かってライブをする。そこで、改めてDAOKOに興味を持ってくれた人に出会えたような気がしたんです。

―そのときはまだ顔も出してないし、お客さんも「どんな子なんだろう?」っていうような探るような感じだったんじゃないですか?

DAOKO:うーん……そのあたりは私のなかでも「どういうふうに見られてるんだろう?」って探ってるところがあります。DAOKOっていうのは、本来の自分から生み出されたものではあるけれど、アーティストとして、どういうふうに見せていくのがいいのか。みんなそれぞれアーティストに求める理想像があると思いますが、それを忠実に再現するのも違うと思いますし。

―DAOKOちゃん自身が、アーティストとしてのDAOKO像を模索中だと?

DAOKO:そうなんです。それこそインディーズのころは内面世界というか、アンダーグラウンドな自分のドロドロした部分を大きく表現してたんですね。それがミステリアスって言われたし、謎多き人物として見られてたと思うんです。でも今回の新曲は一風変わったポップなサウンドだったりするので。そういうものを出したときに、どう思われるのかは気になりますね。わたしは決して無理してやってる変化じゃないけれど、どこか無理をしてるように見えちゃったりしないかな、とか。だから見え方ってとても難しい。

―これまでのDAOKOの歩みを少し振り返りたいと思うんですけど、まず最初にニコ動に投稿したきっかけは何だったんですか?

DAOKO:中学時代にニコニコ動画を知って、すごくハマッたんです。そこで、たまたまラップに辿り着いて、それをリスナーとしてしばらくは追ってたんです。そのときは、いまほど女性ラッパーも盛んじゃなかったというか。かなり稀だったんですよね。ここで自分がラップをやったら注目されるかもしれない、みたいな思いつきもあって。

―そのとき同級生とかもニコ動にハマってる子とかいたの?それともDAOKOちゃんはやっぱり特殊なほうだった?

DAOKO:どうだったんだろう?やっぱり、みんなニコニコ動画自体は知ってはいるけど、みたいな感じだったのかな。あくまで動画ツールというか。でも、わたしの場合はコミュニティーのほうまで入っていったんです。家に帰ったら、ひとりでニコニコ動画とかSNSをやって、ツイッターとかもそのころから始まって。それが楽しかったんです。

―その世界のほうが居心地が良かった?

DAOKO:中学時代は学校であんまりうまくいってなかったのもあって……。現実逃避だったんでしょうね。それで、そっちの人との繋がりを求めたんだと思います。

―音楽を作ることに興味を持つようになったのは?

DAOKO:音楽はそれなりに好きだったんですけど。自分でやってみようとは、最初は思わなかったですね。幼稚園のころからずっと絵を描いてて。絵の道に進むんだと思ってました。だから、自己表現が好きだったのはあるんです。でも音楽は、もし投稿をしても、誰にも見つけられなかったら、ただの自己満足で辞めてたと思います。それが、いろんな人に連れ出してもらったから、エンジンがかかった。求められてるんだなっていうのが、モチベーションになって。絵のほうも、小さいときに、お父さんとかお母さんに褒められたがうれしかったからはじまったので。褒められたい欲求というか、自己承認欲求みたいなものが強いんだと思います。そんな私が認められた場所が音楽だったんです。

—DAOKOちゃんは早くから日本のトップクリエイターの目に留まったという印象なんですけど。m-floとのコラボ曲「IRONY」も話題になりましたし。

DAOKO:最初はクリエイターの人の口コミみたいな感じで広がってたらしいんですね。そこで、☆Takuさんがチェックしてくださって。まさか、こんなメジャーな人が声をかけてくれるとは思ってなかったので、新鮮でした。しかも、いざ一緒に作ってみると、調和する部分がたくさんあって。新しいものが生まれたっていう感覚もありました。

—正直、わたしなんかが15歳のときに、そんな人たちに少しでも褒められたら、有頂天になっちゃいそうなんですけど(笑)、当時はどんな気持ちでしたか?

DAOKO:いま思うと、本当に「すごいな」と思うんですけど。逆に、実感があまりなかったんですよ。そのぶん恐れを知らなくて、無知ゆえになんでもできちゃう、みたいなこともありますね。だから、それがすごいことと言うよりは、自分のなかで向いてるものを見つけられた感じがしたんです。こんなにも自分に伸びしろがあることって、いままでなかったので。絵を描くのは好きだったけど、生きてる実感を得られることがなかった。自分に自信がなかったんだと思います。それが、音楽で自己肯定されるような気持ちになって。これで生きていられるな、と思えたんです。

—そこからDAOKOの音楽人生が始まっていくわけですね。インディーズ時代には『UTUTU EP』と『GRAVITY』と立て続けに作品をリリースしていきますね。

DAOKO:やっと自分が音楽の世界に入ってきたのを実感しはじめたころですね。このころまでは、自分のなかでは蓄え期間だったと思います。LOW HIGH WHO?(DAOKOのインディーズ時代の所属レーベル)はアットホームなレーベルなので、いろんな仲間たちと、いろんな経験をして、ライブ活動もこのぐらいから徐々に増やしていったんです。『渇き。』もこの時期ですし(中島哲也監督の映画『渇き。』挿入歌にDAOKOの「Fog」が抜擢されて話題になった)。けっこう自由に、伸び伸びとって感じでした。部活動の代わりみたいな感じで楽しんでやってましたね。

—そこから今年の3月にいよいよ『DAOKO』でメジャーデビューをするわけですが、より幅広い音楽にチャレンジしたり、音楽性もポップになっていきますね。

DAOKO:やっぱりメジャーでやるってなったときに求められるのは、わかりやすさは大切だと思ったんです。そこらへんを突き詰めていこうっていう気持ちはありました。より広がりを求めて、もっと違う世界を見てみたいし、1回経験してみようと思って、「いってきます」っていう感じはありましたね。でも、それでわたしが持っているドロドロしたものが薄まって、個性がなくならないかなって不安もあったんです。それが実際にやってみると、そうはならない。滲み出るものがあって。納得できるポップなところに落とし込んでいったっていう感じでした。

—最初に言ったように、「どうやって見られてるんだろう?」とか、アーティストとしての見せ方で悩みはあるかもしれないけれど、ひとつDAOKOの音楽にあるドロドロとした想い、ダークな部分がずっと失われなかったのは大きいと思う。

DAOKO:そうですね。わたしのなかの性根は変わらないなって思います。発想とか。もちろん経験を通じて、考え方はリニューアルされていくし、メジャーデビューをして、場所に合わせて表現の仕方も変わっていきますけど、ものの感じ方は変わらない。いつも「こんな自分もいました」ってすっぴんの自分を見せてるんだと思います。

—では、最新シングル『ShibuyaK / さみしいかみさま』になるわけですが、歌詞にも渋谷の様々な地名が登場していますし、ミュージックビデオでも実際に渋谷の様々な場所を訪れていますね。

DAOKO:撮影は2日間丸々渋谷ツアーみたいな感じで、ロケをしまくったんです。真夜中に誰もいない渋谷の街をダッシュしたりして(笑)。こんなに渋谷を徘徊したことがなかったから、楽しくもあり、大変でもありましたね。あと、児玉裕一監督(椎名林檎などのMVでも知られる)の世界観がすごく面白かったんです。渋谷っていう街が、監督のカメラに通すと、すごくアーティスト性のある街になるんですよね。しかも、ちゃんとDAOKOの世界観にもなってる。そこは監督の天才性を感じました。

—その「ShibuyaK」では渋谷という街の景色を切り取るだけじゃなくて、そこでDAOKOが何を感じて、どう生きるか、それがちゃんと表現されてるのがいい。

DAOKO:ありがとうございます。もともと友達と遊びに行ったりとか、いまは仕事でも渋谷に来ることが多いので、この場所にフォーカスをあてて曲を作りたいと思ってたんです。渋谷って、モノとか人がすごく多くて、どんどん流れていく。カオスな街なんだけど。そのなかに放り込まれることで、エモーショナルな……どこか寂しい気持ちになったりとか虚無感を感じるんです。だけど、どこか安心するみたいな。矛盾してるけど。だから、渋谷はいろんな顔がある、生き物っぽい街だと思うんです。街が生きてる感じというか。

—それは《なんでもあるけどなんにもないな》というフレーズによく出てますね。

DAOKO:そうですね。本当に率直な気持ちです。でも、もしかしたら、どっかでみんなもそんなふうに思ったことがあるのかなとも思うんです。渋谷っていうと、そういうイメージが真っ先に出てくる人は、あんまりいないかもしれないけど。そういうところが、DAOKOの目線というか。ただのご当地ソングにはしたくなかったんです。

—で、2曲目の「さみしいかみさま」と、3曲目の「ゆめみてたのあたし」は、吉崎響監督とのコラボ企画として、アニメーションのミュージックビデオを制作されて。

DAOKO:この映像作品のタイトルが「GIRL」で、吉崎監督から“少女”っていうテーマをもらったんです。「女の子の見てる世界が見たい」って言われて。もともと先にアニメーションをざっくりと見せてもらってたんですけど、そこに自分の内面世界というか、自分のなかのリアルを書いていきました。吉崎監督の作品は、最初に見たときからシンパシーを感じたんです。考え方がすごく似てて、男性版DAOKOというか(笑)。運命的なものを感じてます。だから歌詞もスラスラと書けましたね。

—まさに女の子らしい、ふわふわとしたファンタジックな世界観が印象的でした。

DAOKO:アニメーションの雰囲気もすごく淡い色合いで、独特なコントラストがありますよね。女の子のメルヘンな部分とか、妄想の世界だったり、フィクションとノンフィクションが織り交ざった曲なんです。アニメーションのなかの話だと、主人公の女の子は、自分の世界のなかでは神様っていう設定なんです。でも、本当はふつうの女の子として認められたいみたいな気持ちがある。現実世界とのギャップですよね。その二面性があって。それプラス、今回は愛について書きたいなと思ったんです。いろいろと疑っちゃう世界のなかで、わたしも疑心暗鬼になりがちなタイプなんですけど。それでも、なんとか繋がっていられるのは、思いやりとか愛情があるから。それをこの世界観で表現してみました。

—では最後に、今後DAOKOはどんな存在になっていきたいと思いますか?

DAOKO:自分を見失しなわないでいたいなと思います。いろいろありながらも、自分のなかでブレてないところを伝えていきたいです。そうやって、ちゃんとリスナーに愛されるアーティストになりたいです。



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【DAOKOのルーツミュージック】は次のページで!

【DAOKOのルーツミュージック】

椎名林檎『無罪モラトリアム』

椎名林檎さんが大好き……というか尊敬してます。幼稚園ぐらいのとき、お父さんが車のなかで椎名林檎をよくかけてて、音が好きだったんですけど。成長してからは、歌詞の内容とか、林檎さんの素晴らしさがわかってきて。女の人として尊敬してます。作品では、とくに『無罪モラトリアム』に収録されている「歌舞伎町の女王」が好きです。わたしは「ShibuyaK」っていう曲で、渋谷を表現したけど、歌詞のなかに地名を入れてみるのは、林檎さんの技法を取り入れてるんです。林檎さんの「丸の内サディスティック」(丸の内線)みたいに、わたしの「水星」っていう曲では、小田急線が出てきたりして。場所は対照的ですけどね。映画でも、どんな作品でも、その人の世界観が強いものが好きな傾向があるので。わたしも世界観をもっと作りたい。わたしの憧れでもあり、目標でもありますね。

番組情報

POWER PUSH!

POWER PUSH!

毎月注目アーティストの一曲をピックアップし、
そのミュージックビデオをヘビーローテーションでオンエア!
2015年10月のパワープッシュアーティストは…

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