サーチ

アーティスト名、楽曲名を
入力して検索

今日の放送予定

レコメンドアーティスト

King Gnu

King Gnu

スペースシャワーTVが自信をもっておススメする邦楽マンスリーアーティストが"VIP"。話題の新曲ミュージックビデオを中心に大量オンエア!

ナイトタイマー / SIX LOUNGE

ナイトタイマー / SIX LOUNGE

毎月注目アーティストの一曲をピックアップし、 そのミュージックビデオをヘビーローテーションでオンエア!

その他のローテーション

レコメンドアーティスト

POWER PUSH!

POWER PUSH!

毎月注目アーティストの一曲をピックアップし、
そのミュージックビデオをヘビーローテーションでオンエア!
2013年3月のパワープッシュアーティストは…

ドライアイス / ハルカトミユキ

2013年3月のアーティスト

Profile

時代を引き裂くリリック、 透き通る声、 中毒性のある美メロ。
ゾクゾクする。
2012年終盤に突如現れた、新生フォーク・ロックユニット=ハルカトミユキ。フォーク×オルタナ×グランジ×ニューウェーブ!?ハルカトミユキの音楽ジャンルをひとつでは語れない。
詩人・ハルカ(23歳Vocal/Guitar)と奇人・ミユキ(23歳keyboard/Chorus)のデュオ=ハルカトミユキ。立教大学の音楽サークルで知り合い、気が合わないと思っていた同級生たちのなか、唯一「同じ匂いがする」とひかれあった二人。森田童子、銀杏BOYZ、ニルバーナを同時期に聴いていた「言わない」世代が静かに奏でるロックミュージック。

初ワンマンライブ「ドライ・バニラアイス」(完全招待制)

3/28(木)@渋谷WWW OPEN 18:30 / START 19:30
応募詳細はこちら

▼ハルカトミユキ「ドライアイス」ミュージックビデオ

Power Push! Interview

いつまでも彷徨い続ける理性と本能、願いと現実、僕と君——その物語を鋭利なナイフのように研ぎ澄ませてリスナーに突き刺すフォーキーな歌。その歌に忘れがたきロックの息吹と熱量を吹き込むサウンド。ハルカトミユキ。まったくタイプの異なる2人が出会った必然をその音楽が証明している。サポート・ミュージシャンには中畑大樹(Dr)、畑利樹(Dr)、西川進(Gt)など、豪華な凄腕たちが顔をそろえている。今月のPower Push!は彼女たちの2nd e.p.『真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。』から「ドライアイス」が選ばれた。ハルカトミユキの原点と心髄をひも解くロング・インタビューをここにお届けしよう。

一緒にいるのは、この人が人として好きだからではなく、この人の音楽が好きだからで

——2人は大学の軽音サークルで出会ったんですよね。どんな音を鳴らすことから始まったんですか?

ハルカ:最初はとにかくノイジーなことをやりたくて。ロクにギターを弾けないのに歪ませたり、変な音を出したり。でも、案の定、収集がつかず曲にならなくて。で、アコギを持って簡単な曲から作るようになったんです。それからですね。ホントの意味で始まったのは。

——リズム隊のメンバーを入れようという発想はなかったんですか?

ハルカ:最初にドラマーの人がいたんですけど、ライブをやらずに抜けちゃったんですよね。

——それは意思疎通が上手くいかなくて?

ハルカ:うん、そうですね。そのときに人数が多いと大変だなと思って(笑)。私も彼女(ミユキ)も人間的に人が多いとやれないんだなって。

ミユキ:うん。

ハルカ:2人がいちばん楽というか。言ってしまえば、1人がいちばん楽なんですけど(笑)。2人がいろんな意味で限度なような気がして。

ミユキ:うん。ベースがいないなら私がキーボードで弾けばいいし、エフェクターで音を重ねれば音圧も出るし、ドラムも頭の中で鳴っているイメージがあればいいかなって(笑)。人付き合いも苦手だし、2人でいいやと思いましたね。

——ということは、人付き合いが苦手な2人が音楽を通して引き合ったとも言えますよね。

ハルカ:そうですね。でも、いまもこの人だから上手くいくとは思ってなくて(笑)。

ミユキ:一緒にいるのは、この人が人として好きだからではなく、この人の音楽が好きだからで。

ハルカ:そう言うと人として嫌いみたいじゃん(笑)。

ミユキ:そういうことではないんだけど(笑)。

——人間性よりも音楽性が前にくる、と。

ハルカ:うん。こういう感じだから、スタッフとかからも仲が悪いと思われるんですけど。まったく一緒に行動しないし。

ミユキ:フェスに遊びに行っても別行動みたいな。

ハルカ:ご飯を食べに行ったりもしないし、仕事で一緒にいても帰りは別で。プライベートなことも話すときは話すけど、別に深入りしない。でも、仲が悪いというわけでもないんですよね。

ミユキ:それはこの2人の関係だけじゃなくて、全体的な人付き合いに言えることで。

ハルカ:そうそう。誰に対してもそうなんだよね。

——すごくドライとも言えますよね。

ハルカ:ホントに仲がいい人とはまったく連絡を取らなくても半年に1回会えればいいみたいな感じがあって。この感覚、わかりますか?

——一緒にいても1時間くらい何をしゃべらなくても成立するみたいな関係ってありますよね。

ハルカ:そうそう! そういう感じです。

そもそも全然タイプの違う人間だけど、2人とも最終的に表現したいことは"怒り"だと思う

——2人とも小さいころからドライな性格だったんですか?

ハルカ:私はそうですね。小学生のころから捻くれていて。いつも斜に構えて生意気な子どもだったと思います。

——シニカルな子どもだった?

ハルカ:シニカルな子でしたね。それと同時に優等生ぶってもいて。上手く渡り歩こうとしていました。"ここはいい子にしておいたほうがあとで有利になる"とか計算したり。だから勉強もちゃんとするし、怒られないように生きてきて。そのまま大学までいったんですよ。小さいころから大人になって好きなことをやるために、今やるべきことはしっかりやろうって思ってました。

——友人関係はどうだったんですか?

ハルカ:グループ付き合いとか苦手でしたね。でも、表面的には友だちがいた記憶があるので(笑)、中高生時代もひとりで過ごすのではなく、居心地が悪いと思いながらもグループに属してるみたいな感じで。そこもずる賢かったんだと思います。でも、大学に入ったらそういう無理はしなくてもいいと思ったし、人と違うことを堂々とやろうと思いましたね。

——ハルカさんは中学生のころから詩を書くようになったんですよね。それは知らず知らずのうちに溜まっていた感情の澱を吐き出す行為でもあったんじゃないですか?

ハルカ:そうかもしれないですね。長女だし、家にはほとんど女しかいないから、自分がしっかりしなきゃいけないって大人びようとしていたんだと思います。で、その反動でノートに子どもじみたことを書いていたのかもしれない。いまもそうなんですけど(笑)。

——大学生になるまで自ら曲を作ることはなかったんですよね?

ハルカ:そうですね。

——音楽と繋がって、詩が歌詞になり歌になるまでなぜ時間がかかったんですか?

ハルカ:漠然と、いつかバンドをやりたいという憧れは中学のときからあって。そもそもは、小学生のときから、いつかステージに立つ仕事をしたいとは思っていたんです。それでダンスやバレエを習っていたこともあったんですけど。でも、さっきの話に戻るんですけど、いまはしっかり勉強をやっておけば、大人になって好きなことができるという計算が働いていて。

——なるほど。そこは一貫していたんだ。

ハルカ:そう。だから高校では一応、軽音学部には入って東京事変や銀杏BOYZのコピー・バンドをやってエレキギターを持った時期もあるんですけど、ほとんど弾かないで歌っていたし、自分で曲を作ろうともしなくて。でも、大学に入った途端に自分の曲を作ろうと思ったんですよね。

——一方、ミユキさんは大学に入るまではどんな人生を送っていたんですか?

ミユキ:とにかく好き嫌いがハッキリしていた子でしたね。お母さんにめちゃくちゃ習い事をさせられていて。水泳、書道、バレエ、英会話、学習塾……月曜日から金曜日までスケジュールがビッシリ埋まっているくらい。気分が乗らない日はスクールに行っても"今日はお休みします"って勝手に体育座りしちゃうような子だったんですけど(笑)。

ハルカ:超ワガママだね(笑)。

——習い事をお母さんに強いられる抵抗でもあったんですかね?

ミユキ:いま思うとそうかもしれないって思いますね。お母さんのことはすごく尊敬しているんですけど、ずっと"安定した職業に就きなさい"って言われていて。その反動はあったかもしれない。親戚の集まりとかでも無理だと思ったら、黙って部屋から出て行って。

——無言の抵抗(笑)。

ハルカ:ホントにそのまま大人になったんだね(笑)。

ミユキ:いまも感情の波が激しいので(笑)。ずっとそんな子だったんですけど、高校まで続いたのがピアノのレッスンだったんです。音楽はずっと好きで。

——学生時代はカート・コバーンに憧れていたんですよね? 

ミユキ:そうですね。カートの存在は高校生のときに知ったんですけど。当時はニルヴァーナのコピーをしている男の子を羨ましいと思ったり。でも、自分にはできないと自覚していて。憧れはあったけど、自分がやるべき音楽はこれじゃないとわかっていたんです。どこかで誰とも共有できないと思っていたし。部活も入らないで学校から直で帰宅して、好きな音楽や雑誌を集めてみたいなことをずっとしていました。誰かと共有したいとも思ってなかったのかもしれない。

——大学生になったら軽音サークルに入ってバンドを組もうと思っていたんですか?

ミユキ:そこまでちゃんと考えてはなかったんですけど、音楽系サークルには入ろうと思っていたんです。いままで続けていたピアノをやるか、自分でどうにかして新しいことを始めたいとも思っていて。で、オリジナル曲を作れるサークルが私たちが出会ったサークルだけだったのでそこに入ったんです。実際入ってみても最初はどうしていいかわからなかったですね。それまでバンド経験もないし、集団行動が苦手だったので。サークルのたまり場にソファーがあるんですけど、"どうしよう……"みたいな感じでポツンとそこに座っていたら(ハルカが)話しかけてくれて。

ハルカ:"この子、超場違い!"と思って(笑)。みんなは積極的に交流しようとしているのに、この子だけ誰とも仲良くしようとしてなくて。だから、話しかけてあげようかなと思ったんです。

——すぐに一緒に組もうとはならなかったんですか?

ハルカ:ならなかったですね。学校の中でしゃべってはいたけど、遊んだりすることもなく。

ミユキ:で、サークル合宿のライヴで(ハルカが)バックホーンのコピーをしていて。そのときに"この人と一緒にやりたい!"と思ったんです。それまで一緒にやりたいと思う人はいなかったんですけど、初めて自分から誘って。

ハルカ:誘われたときのことはあまり覚えてないくらいフワッと始まったんですよね。私も特に組みたい人はいなかったし、"じゃあ一緒にやろうか"ということになって。

——でも、話を聞いていると2人のパーソナリティってベクトルは違うけど、根本にはすごく近いものがあるんだなって思いますね。

ハルカ:そうですね。私もあらためてそう思いました。

——この2人だからこそ鳴らせる音の核心もそこにありますよね。

ハルカ:そう思います。そもそも全然タイプの違う人間だけど、最終的に表現したいことは同じというか。その表現にたどり着くまでに"いい違和感"が生まれていると思うんですね。私たちの曲のどこか変な感じって、その違和感から生じていると思っていて。

——2人が表現したいことを言葉にできますか?

ハルカ:怒り、だと思います。

——それはどういう怒りですか?

ハルカ:口にしてはいけない怒りというか。

——それは社会通念上ということ?

ハルカ:そう。絶対正しいはずなのに、自分の立場から大声で言えないことってあるじゃないですか。

——いまの時代なんてそんなことばかりですね。

ハルカ:ですよね。それがふつうになっていることもおかしいと思うし。それを歌なら吐き出せるなと思っていて。Twitterで言ったら炎上するかもしれないけど(笑)。あとは、すごく理解してほしいのに"どうせわかってもらえない"って拗ねているいる感じというか。開き直っているようで、実は強がっているだけで。強い言葉を発したときに、そういう弱さが見える感じがどの曲にも共通してるかなって思うんですけど。

——根本的なところは詩を書き始めた中学生のころから変わってないんですかね?

ハルカ:かもしれないですね。無意識だったけど、よくよく考えたら変わってないんだなって思う。

——でもね、そのある種の蒼さこそがハルカトミユキの歌を強くしていると思うんですよ。いまは歌いながら蒼さを守るために戦っているとも思うし。

ハルカ:うん、そうですね。ありがとうございます。

——ミユキさんも怒りが根源的な表現発露になってる?

ミユキ:なってますね。

ハルカ:この2人って普段、怒りを表現するときの方法は違うんですけど、それが音楽だと重なるというか。

ミユキ:うん。(ハルカは)表向きに怒りを表現できる人で、私は表現できないまま沸々と怒ってるというか(笑)。

ハルカ:だから、端から見ると私のほうが気が強くて怖いというイメージをもたれると思うんですけど、ホントはこっちのほうが中に潜んでいるものは怖くて、ふとしたときに私より怖いことをサラッと言うみたいなことがあって。

——冷たく刺す、みたいな?

ミユキ:なんていうか……無責任に暴言を吐いちゃうみたいなところがあって。ライヴではいつも帽子にテープを貼っていて、そこにひとことを添えているんですけど。そこでいつも爆弾を投下しているんですね。"許さない"とか書いたり(笑)。

ハルカ:主語がないから誰のことを言ってるのかわからないんですけど(笑)。

すごく熱いことを熱く歌うよりも、サラッと言われたほうが響く

——曲ができる基本的な行程はどんな感じですか?

ハルカ:私がまず弾き語りの状態で基本的な形を作って、スタジオで(ミユキに)聴かせて、そこで思いついたフレーズを乗っけてもらう感じですね。そこからさらに私がリクエストしたり、やり取りを重ねて。曲ができるまでそれを繰り返すという。スタジオではわりとセッションっぽいことをやってます。

——メロディは最初から乗っかっているんですか?

ハルカ:いや、最初はギターコードだけあってメロディは付いていないことが多いですね。メロディは最後、みたいな。歌詞は基本的に別々に考えていて、言葉は言葉としてあって、そこに当てはめていくみたいな感じです。

——あくまで独立した状態で詩とメロディがある?

ハルカ:そうですね。いまは詩というよりも、言葉の羅列に近いんですけど、"これはここにハマるな"と思ったら当てはめていって。

——ミユキさんは、ハルカさんの歌をどう捉えているんですか?

ミユキ:"あ、そこ言っちゃうんだ"みたいな、幼稚っぽさがすごく好きで。

ハルカ:中二病?(笑)。

ミユキ:そう、いい意味での中二病みたいな。

——いい意味での中二病(笑)。

ミユキ:でも、それって歌う人には不可欠なところだと思うんですよね。

——そう思う。極論を言えば、ソングライターなんてみんな中二病ですよ。

ハルカ:私もそう思います。

——自分の中で解決していない根深い淀みを歌にしているわけで。

ミユキ:うん。私もそこに共感しているから、そこに自分の音が重ねていく気持ちよさがあって。でも、矛盾しちゃうけど、フレーズを付けるときは歌詞もメロディも一切聴かないんです。まず、自分だけの感覚でフレーズを付けることを徹底していて。やっぱり違和感がほしいのから。メロディはきれいだから、そこに合わせちゃうとただポップなだけの音楽になってしまうと思うんですよね。(メロディとフレーズが)がすごく当たっているけどカッコいいみたいな感じが理想だなと思って。

ハルカ:だから、メロディを活かすフレーズというよりは、殺し合ってると言っても過言ではない感じで。そのほうが面白いと思うんですよ。歌詞の内容と鳴ってる音が全然違うみたいな。

——刺し合いながら、共鳴するような。

ハルカ:そうですね。

——それって相当スリリングですよね。

ハルカ:スリリングですね。でも、そのほうが聴く人に伝わると思うんです。すごく熱いことを熱く歌うよりも、サラッと言われたほうが響くとか。悲しい歌を悲しい音で表現するよりも、なぜかポップに表現したほうが切なかったりすることってあるじゃないですか。その逆もしかりで。

——曲を作ってる現場を見てみたいなあ。

ハルカ:たまにスタッフが一緒にいると耐えられないみたいで(笑)。

——空気が?

ハルカ:ピリピリしていないときもあるんですけど、基本的にお互い弾き続けているので息が詰まるみたいで。上手くいかないときはホントに千本ノック状態だし。

ミユキ:1時間しゃべらないで淡々と弾き続けるみたいな。

「ドライアイス」は絶望しているけど、中は燃えているというか

——今月のPower Push!に選ばれた「ドライアイス」。この曲は音楽的にも、また歌詞の温度、切なさ、鋭さという意味でも、ハルカトミユキの心髄を形象化していると思います。この曲はどんな流れで生まれたんですか?

ハルカ:この曲は、私が昔付き合っていた人のことを書いているんですけど。その人にいろんなことが上手くいかない時期があって。何をやってもダメみたいな。仕事もダメだし、病気したり、それこそ呪われているんじゃないかというくらい絶望的なこともあったんです。私がその人のいちばん近くにいたんですけど、どうすることもできなくて。私自身のことでもないから、一緒になって絶望するのもおかしいし、励ますのも軽いなと思って。なんにもできないから私もすごく悩んで。「ドライアイス」はそのときのことを書いたんですよね。

——この曲にはどうしようもなく行き場のない感じが漂っていますよね。それはハルカさんが書く歌に通底している空気でもあるんですけど。その人の存在が曲になっていることって多いですか?

ハルカ:うん、多いですね。必然的に歌になったというか。実体験じゃないと書けないところがあるし、いまある多くの曲がその人のことをきっかけに生まれました。

——あと、一人称を"僕"にしているのはなぜですか?

ハルカ:"僕"のほうが語感がいいし、"私"って言うとオフィシャルな感じがするんだけど、"僕"って言うとより個人的な生々しいムードを出せる気がして。それが大きいですね。

——「ドライアイス」はけっこう前から存在していたんですか?

ハルカ:歌詞やメロディがちょっと違う感じで未完成のままずっとあって。以前からライヴでもやっていました。ちゃんといまの形になったのは最近ですね。

ミユキ:「ドライアイス」というタイトルが出てくるまでけっこう悩んで。最初のタイトルってなんだったっけ?

ハルカ:「死にそうな彼の歌」。

——そのまんまだったんだ(笑)。

ハルカ:うん(笑)。ずっとキャッチーなタイトルを付けたくて、「ドライアイス」ってポッと出てきたんですけど。イメージは冷たすぎて火傷するくらい熱いみたいな。絶望しているけど、中は燃えているというか。そういう感じがピッタリだなと思って。

——それってまさにハルカトミユキの音楽像そのものですよね。

ハルカ:うん、そうなんですよね。いまになって余計に強くそう思いますね。

——ミユキさんはサウンド面でどんなところにポイントを置きましたか?

ミユキ:もちろん、この曲を作っているときはいずれe.p.のリード曲になるなんて思っていなくて。歌詞が閉塞的だから、音は面白おかしくしてやろうと思ったんですけど、そのアレンジを「バカっぽい」って言われて悩んだんですよね(笑)。

ハルカ:私が「バカっぽい」って言ったんですけど(笑)。

ミユキ:跳ねていたり、メジャーなコード感のフレーズを乗せていたんですよ。ラッパが鳴っていたりとか。

——ちょっと能天気な感じだった?

ハルカ:そうそう。

ミユキ:でもこの曲がリード曲になるって決まってからは、きれいな曲になることを意識して。逆にサビで厚みを出したいと思ってオルガンを歪ませたり。完成までに時間をかけたからこそ、すごく強い曲にすることができたと思います。

——「ドライアイス」のミュージック・ビデオ(以下MV)は1st e.p.(『虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。』)に収録されている「Vanilla」とリンクするストーリー性と映像美をたたえていて。ハルカトミユキのMVのあり方って既に確立されていますよね。

ハルカ:「Vanilla」と「ドライアイス」は同じチームで制作していて。基本的なコンセプトは監督(大久保拓朗)が提示してくれるんですけど、こういう要素を入れたいというリクエストはこちらからも出させてもらっています。今回は、冷たくて閉塞的な場所に閉じ込められている感じを出したくて。それで、こちらから冷凍庫に入りたいというアイデアを出したんです。そこから監督から返ってきたのがこのMV のイメージで。心臓をイメージさせるものとしてザクロを使いたいというのは私から言いました。あとは、衣装は赤と青にして、それが動脈と静脈に置き換えられるとか。いろいろリクエストさせてもらいましたね。

——MVの世界にはどこまでも2人しか登場しない。そこに行き場のなさと、逆にここが桃源郷なんだと思わせるような趣さえも感じさせる。

ハルカ:そうそう。ここはどこかわからないみたいな感じがありますよね。監督が「Vanilla」を踏まえて私たちの音楽の世界観を深く理解してくれていることを感じる世界観になりましたね。

——このMVを観ると、そもそもハルカトミユキの楽曲自体が映像的であることに気づかされる。

ハルカ:うん。自分たちでも映像表現はすごく重要だと思っていて。曲を書くときにもリスナーが映像を思い浮かべられるようなものにしたいという想いがあります。

ミユキ:いまはMVから曲を知ることも多いと思うので。実際、私もそうですし。これからも観た瞬間からその人を惹きつけるようなMVを作っていきたいですね。

——最後に、2人がこれだけは貫いていきたいということはなんですか?

ハルカ:大人の言うことを聞きたくないですね。いや、聞いてるんですけど(笑)、ムカついたらすべて曲で言い返してるから。そこはずっと曲げたくないですね。

ミユキ:私もそう思います。そういう意味ではずっと無知のままでいたいです。

お祝いケーキ お祝いケーキ2

PowerPush!恒例企画 お祝いケーキSHOT

text:三宅正一  photo:依田純子

【ハルカトミユキのルーツミュージック】は次のページで!

【ハルカトミユキのルーツミュージック】

ハルカ

ハルカ
THE BACK HORN/「イキルサイノウ」

先日、ライヴ・アルバム(『KYO-MEIツアー〜リヴスコール〜』)を聴いたら、全曲知っていて。それだけ学生時代に聴いてたんだなと思ったんですよね。アルバムの中では『イキルサイノウ』がいちばん好きです。サウンドも言葉もすごくヘヴィで熱量があって。ルーツのひとつであり、憧れのバンドですね。

ミユキ

ミユキ
ニルヴァーナ/「Nevermind」

高校生のときにカート・コバーンのムック本と出会ったことがきっかけでニルヴァーナを好きになったんです。表紙のカートを見て“カッコいい!”って一目惚れして。『ネヴァーマインド』を聴いたらさらにハマって。そこからロックを熱心に聴くようになりました。ニルヴァーナのやっていることってそこまで難しくないから誰でもコピーできるんだけど、でも絶対に誰も真似できないカッコよさがありますよね。そこがホントに素晴らしいと思います。

ページの先頭へ戻る