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2012年4月のパワープッシュアーティストは…

オレンジ / クリープハイプ

2012年4月のアーティスト

Profile

Vo/Gt. 尾崎世界観 Gt. 小川 幸慈 Ba. 長谷川カオナシ Dr. 小泉 拓
2001 年、尾崎が高校の同級生とクリープハイプを結成。3 ピースバンドとして活動を開始する。
2005 年、下北沢を中心にライブ活動を活発化。ライブを観たいろんな人から「世界観がいいね」 と言われることに疑問を感じ自ら尾崎世界観と名乗るようになる。
2008 年9 月、メンバーが脱退し、尾崎世界観の一人ユニットとなる。
2009 年11 月にGt. 小川 幸慈 Ba. 長谷川カオナシ Dr. 小泉 拓を正式メンバーに迎え、本格的 に活動をスタート。
2012 年4月ビクターエンターテインメントよりメジャーデビュー

Power Push! Interview

クリープハイプのメイン・ソングライターである尾崎世界観が日本語だけで紡ぐ歌詞は、行き場のない喪失感を抱え彷徨する人間たちの日常を、至近距離で切り取ったポートレートのように、あるいはセルフ・ドキュメンタリーのような切り口で、時に身も蓋もないくらい露骨に暴きながら、しかしどこまでも彼らを愛でるような眼差しで見つめる。シニカルだけど、やたら人懐っこい筆致で。そこにとびきりロマンティックなメロディ、軽快かつ前のめりに転がり煌びやかに疾走するサウンド、否が応でも耳にこびりつく尾崎の切迫したハイトーン・ヴォイスが重なったとき、歌のなかに生きる主人公たちの顔や行為が、ちょっと戸惑うくらい生々しく、鮮やかに浮かび上がる。今月のPower Push!は彼らのメジャー1stアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ったよ』から「オレンジ」が選ばれた。尾崎世界観とクリープハイプの根源をひも解くインタビューをお届けする。

どんなサウンドでも自分の歌は死なないという自信があるし、だからこそメンバーにはある程度好きにやってもらっています。

尾崎さんの音楽的ルーツから聞かせてください。

尾崎世界観(Vo&Gt):最初は、父親が家でかけていたフォークですね。それから、ゆずが好きなって“いい歌ってこんなにシンプルに作れるものなんだ”って思ったんです。自分でバンドをやりたいと思ったきっかけは、BUMP OF CHICKENでした。あと、歌詞に関しては野狐禅にすごく影響を受けています。野狐禅の歌詞って“こんなことをわざわざ曲にしなくてもいいだろう”と思うようなことを1回グチャグチャにして、形はブサイクなのに、すごく感動的な歌にしているんですよね。そのカッコいい遠回りというか、ひとつの物事をそのまま言えばそこで終わってしまうけど、いろんな言い方があるんだということを野狐禅に教えてもらいました。

リスナーとして海外のバンドなどは通らなかったんですか?

尾崎:全然聞かなかったです。無理して聴いてる時期もありましたけど、今に至るまで聴き続けているものはないですね。

それは言語の違いが大きい?

尾崎:まさにそうですね。外国の言葉だとその人の生活が見えづらいというか。その人がどういう暮らしをして、どういうふうに曲を作っているのかがダイレクトに伝わってこないから。それを理解する時間があるなら、すぐに言葉を理解できる日本人の新しい音楽を聴きたいと思っちゃうんですよね。ホントは洋楽もちゃんと聴いたほうがいいとは思うんですけど。

サウンド的には海外のバンドからも影響を受けているのかと思ったから、意外でもあるけど。

尾崎:そこは周りのメンバーが聴いているものが反映されているんだと思います。そういう意味では、サウンドにそこまで執着していないとも言えるんですよね。どんなサウンドでも自分の歌は死なないという自信があるし、だからこそメンバーにはある程度好きにやってもらっています。

言葉に対する強い関心や執着心は幼いころからあったんですか?

尾崎:そうですね。小さいころから人がしゃべってる言葉をすごく気にしていました。昔から父親が本を読ませてきて。“ここにこう書いてるけど、どういう意味かわかるか?”って聞いてくるような父親なんですよ。言葉の裏側を読ませようとするというか。それができないと“もっとちゃんと考えろ!”って言われんです(苦笑)。

常に思考する人であれ、という教育だった。

尾崎:そう。だから、小学生のころは算数とかは全然できなかったんですけど、国語の勉強だけはすごくできました。小さいころから人の奥にある深い気持ちを探るのが癖になっているところがありますね。今でもそうですけど、変な子どもだったと思います。

心の裏側を読み取ることに執着しすぎると、他者との関係に軋轢が生じることもあったと思うんですけど。

尾崎:うん。そんなこと気にしなくていいっていうところまで気にしちゃうので。でも、そういう人間じゃなければ書けない曲を書いている自負はあります。

常に満たされない気持ちがあって。でも、満たされない気持ちがないと逆に不安になる。

最初に組んだバンドがクリープハイプだったんですよね?

尾崎:そうなんです。コピーもやったことがなくて。それまではバンドに興味を抱いてなかったんですけど、BUMPを聴いたときに言葉に上手く表せないことを絶妙に描いているなと思って。ほかにもいろんなバンドを聴いて、カッコいいとは思うんだけど、自分にしっくりくる音楽ではないなって。でも、BUMPの曲はすごくしっくりきたんです。あとは、当時の下北沢のインディーズ・シーンの空気感に憧れたというのもあります。

野狐禅しかり、BUMPしかり、アウトプットはそれぞれ違うけど、その人の像をしっかり歌に刻むソングライターに共感するんですね。

尾崎:そう、昔からちゃんと自分のことを歌にするアーティストが好きでした。自分の生活や自分の周りのことを描く人。自分もそういう人でありたいと思うし。

クリープハイプを結成するときはどういうバンドにしたいと思ったんですか?

尾崎:どういうバンドでもないバンドにしたかったです。何に似てるとも言われないような、ちゃんと自分の歌がそこで鳴っているバンドにしたいなって。でも、当時は技術もないし、どうしても何かに似てるって言われてしまうことにジレンマを感じていて。だから、未だに何かに似てるって言われないように意識しているところがあります。今はメンバーの演奏もしっかりしているし、ストレスはないですけど、それでも常に満たされない気持ちがあって。でも、満たされない気持ちがないと逆に不安になるというか。満たされない気持ちが音楽に向かうモチベーションになっていると思います。

メロディの求心力にも相当な執着心を持っていると思うんですけど。

尾崎:うん。キャッチーであることはすごく意識しています。いかに人の琴線に触れることができるか。自分の歌を聴いてくれる人がいるなら、その人が感動するようにメロディを動かしたいと思う。

その言葉とメロディに対する執着心が、尾崎さんのコミュニケーション欲求の発露なのではないかと。

尾崎:ああ、確かに。そういうことなんだと思います。

“どうしようもないけど、そういうものなんだよ”って笑えるところまでもっていきたい。

メンバーの脱退もあって、バンドがひとりになったこともあるんですよね?

尾崎:メンバーが何度も変わるし、これはひとりでやったほうがいいなと思って。でも、それはそれで大変だし、いいときも悪いときもひとりだから全然おもしろくなかった。今のメンバーも、もともとサポートを経て正式メンバーになったんですけど、やっぱり自分はバンドを求めてたんだなと思って。人に対する不満をたくさん持っている分、人のつながりを求めてるんだなって思いました。

サウンドとしてロックンロールのエモーショナルな疾走感を求めたのはなぜなのかなって。尾崎さんのルーツを考えれば、もっと叙情的なサウンドで歌を鳴らす選択肢もあったと思うんですけど。

尾崎:確かに。疾走するサウンドでも叙情的に歌を存在させる音楽を自分が求めていたんでしょうね。そういう音楽をあまり聴いたことがなかったし。今のメンバーになるまでは、思い通りに動かない乗り物に乗っている感じがあって、その不満を音楽にそのまま乗せていたんですけど。今は自分の意志でバンドを動かせている実感があります。

尾崎さんが描く歌の主人公は、ほとんどが喪失感を抱えているじゃないですか。でも、その人たちが何となくでも明日に向かっていく着地の仕方をしていて。

尾崎:そう、どの曲もちょっと出口があるようにしていますね(笑)。

なぜ自分は喪失感を抱えている人を描くんだと思いますか?

尾崎:自分自身がいちばんそういう気持ちを感じているからだと思いますね。曲を書くときに自分が持っている感情のいちばん手前にあるものから取っていくので。何かに満足できなかったり、何かを信じきれなかったり。こうやってPower Push!を取っても満足できないし(笑)。そういう感情を歌にして、速いテンポで唄うことで、その感情に意味をつけることができると思うので。

他者の本質を見ようとすればするほど、自分とその人はまったく違う生き物であることを強く実感すると思うんですよね。絶対に埋まらない溝が浮き彫りになることもあるだろうし。満たされない感情の根源は、そういうところにあるのかなって。

尾崎:うん、人を見ようとしすぎなんでしょうね。性的な歌詞が多いともよく言われるんですけど、それもそういうことなのかなって。セックスって、誰かに近づきながら違うことを実感する行為だと思うし。でも、そういう気持ちを最終的には笑い飛ばしたいんです。だから、皮肉っぽい歌詞を速いテンポに乗せたいと思うのかも。“この人はどうしようもない”ということを伝えたいんじゃなくて“どうしようもないけど、そういうものなんだよ”って笑えるところまでもっていきたいんです。

ただ曲に寄り添うだけじゃなくて、曲を食いにきているMVですよね。

今回Power Push!に選ばれた「オレンジ」はどのような流れで生まれましたか?

尾崎:曲の書き方を普段と変えてみようと思って。最初にサビができて、このサビにあえてなんでもない、よく歌われているような歌詞を当ててみようと思って。

“あのオレンジの光の先へ その先へ行く きっと2人なら全部上手くいくってさ”というフレーズを。

尾崎:そう、このサビに対して、AメロとBメロでしっかりひっくり返せる自信があったので。そうすることで、サビのありふれた歌詞に深みを持たせることができるなって思ったんです。実際にそれがしっかりできたので、またひとつ自分のなかで曲の作り方も増えたなって思います。

松居大悟監督によるMVがまた楽曲の物語性を見事に映像化していますね。

尾崎:そうなんですよね。ちょっと悔しいくらいで(笑)。監督とはプライヴェートでも友だちなんですけど、さすがだなと思いました。すぐに映像にできないような曲を作らなきゃいけないとも思ったし、それと同時にすごくうれしかったです。こんなに理解してくれてるんだって。クリープハイプをつぶしにきている感じもいいなって(笑)。ただ曲に寄り添うだけじゃなくて、曲を食いにきているMVですよね。視聴者のみなさんに曲が負けちゃってるなって思われてもいいくらいのものを作ってもらいました。

尾崎さんと松居さんの作家性が強く共鳴しているんでしょうね。

尾崎:そうだと思います。彼が手がけている舞台や映画もどうしようもない人を主人公にしているので。自分の書く曲と共鳴している部分があるんだと思います。

最後に、尾崎さんがクリープハイプで音楽を鳴らすうえで貫きたいことを教えてください。

尾崎:自分が歌いたいことを歌い続けるということですね。メンバーがいちばんのお客さんだと思うので、まず彼らを感動させたい。“こいつすげえな”って思われたいから。そうやってバンドを続けていけたらいいですね。

PowerPush!恒例企画 お祝いケーキSHOT

text:三宅正一  photo:依田純子

【クリープハイプのルーツミュージック】は次のページで!

【クリープハイプのルーツミュージック】

クリープハイプ

尾崎世界観
野狐禅 『東京23区推奨オモイデ収集袋』
なかなか自分で“これだ!”って思う歌詞がないから、自分で書いてるというのもあるんですけど、野狐禅の歌詞だったら自分の気持ちを預けてもいいかなって思える。このアルバムには自分の好きな曲がいっぱい入ってます。

クリープハイプ

小川幸慈
エレファントカシマシ 『ココロに花を』
中学生のときにこのアルバムを友だちから借りてすごく新鮮な衝撃を受けたんです。宮本(浩次)さんの声もそうだし、歌詞もそうだし、“このパワーは何だ!?”って思って。それから宮本さんが通ってきた音楽を掘っていって、The Doorsはじめいろんな音楽に出会うことができました。今でもこのアルバムを聴くと“がんばろう!”って思いますね。

クリープハイプ

長谷川カオナシ
UA 『うたううあ』
UAさんが童謡を唄っているアルバムです。僕はもともと童謡が好きで。UAさんの声と童謡がすごく合っているんですよ。でも、バンドはかなりガチなミュージシャンがそろっているので、アレンジがいい意味で大人げない(笑)。そういうところも大好きですね。部屋で流しながらいろんな作業もできるし、ちゃんと聴けば入り込めるクオリティもあって。すばらしいアルバムだと思います。

クリープハイプ

小泉拓
ザ・ブルーハーツ 『THE BLUE HEARTS』
このアルバムを最初に聴いたのが中学生のときですね。とにかく歌詞とパフォーマンスが衝撃的でした。友だちがブルーハーツのコピー・バンドをやっていて、それもあって自分でもバンドをやりいたいって思うようになったんです。ブルーハーツの曲って子どもでもすぐ覚えられし、大人になってから歌詞の意味を知るとさらに深く響くじゃないですか。その感じがすごいなって思います。

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