ハナレグミ
ドリーミーな桃源郷へと誘う魔法の歌声――ハナレグミ


LAKESIDE STAGEから放たれる白い光と空が、鮮やかなコントラストを描き始めた。夜の闇はすぐそこまで訪れ、2日間にわたったSWEET LOVE SHOWER 2007も着実にグランドフィナーレへと近づいている。
そんな18時25分、「カムサハムニダ〜!」というご挨拶と共に、ハナレグミこと永積タカシ、登場! 待ち構えていたオーディエンスから一斉に拍手が湧き上がる。
「昨日、鎌倉にある素敵なパン屋に行ったんです。そこで店主のジュンペイくんが素敵なパンを作っているんですけど、帰り際に、そのジュンペイくんがこう言ったんです……『まだ夏、終わんないっすよね?』…………………終わんないっす〜!!!」――そんなシャウトが永積独特のコミカルなテンポ感で放たれた後、1曲目、“音タイム”がスタート! 日が暮れて肌寒くなったフィールドに温かな波を生み出すアコギとハーモニカの音色に乗って、永積の歌が伸びやかに広がっていく。<さあ始めよう 音タイム>。その歌詞の通り、プレシャスな音楽時間が始まった。
「いやぁ、雨もまた気持ちいいねぇ」。永積の声でそう言われると、それまで冷たく肌を打っていた小雨が心地よいシャワーに感じられるから、不思議だ。これも音楽のひとつのマジックか。“Jamaica Song”では、スチールパンも交えたパーカッシヴなサウンドに乗ってソウルフルな歌を響かせ、フィールドを揺らしていく。不可思議にファンキーなステップを踏みながら、コーラスを求める永積。もちろん、オーディエンスからは温かな合唱が返される。音楽という共通言語を通して、とても幸福な会話が交わされていく。
永積タカシは、本当にスペシャルな声の持ち主だ。ふわりと空に舞い上がるような透明の羽を持つ彼の声は、聴いている者を幸福な気持ちで包み込むだけでなく、日々のさり気ない出来事にこそ人生の大切なことや愛おしさがあることを教えてくれるようでもある。
そんな声がひときわ大きな輝きを見せる不朽の名バラード“家族の風景”が、そこに込められた大切な想いと共に、すっかり暗くなったLAKESIDE STAGEを満たしていた。もはやハナレグミ・ライヴの代名詞とも言えるしゃぼん玉も、その小さな球体に照明の光を乱反射させながら、夜空に静かに昇って行く。
「じゃあ、旅の歌を」。そんな一言から始まった最後のナンバー、“People Get Ready”。零れるように爪弾かれるアコギの音色と、静かにエモーションを高めるハーモニカだけを従えた永積のドリーミーな歌声が、ゆっくりとオーディエンスを異空間へと連れて行く。そして辿り着いた桃源郷――ここで見た景色を忘れることは決してないだろう。
M-1 音タイム
M-2 Jamaica Song
M-3 明日天気になれ
M-4 家族の風景
M-5 People Get Ready