2日目まもなくスタート




SWEET LOVE SHOWER2007セカンドデイ、
驚異のニューカマーmonobrightでキックオフ!

一日中涼しくて(夜は寒くて)、夕方までは霧が立ち込めていた昨日とは変わって、今日は気温も少し上昇して、もうちょっとで富士山も見えそうなくらい視界も良好。炎天下とも嵐とも無縁な、完璧なフェス日和になりました。
オープニングアクトということで、出演の発表は開催直前だったにもかかわらず、monobrightの登場前からLAKESTAGEの前方には多くの人で埋め尽くされている。まだメジャーデビューしたばかりのバンドらしからぬ異常なまでの期待値の高さ。そんな期待のど真ん中に、「おはようございますっ!!! monobrightですっ!!!」と異常なまでの高いテンションのmonobrightの4人は飛び込んできた。初っ端の“紅色ver.2” からメーター振り切れまくりで、Vo&Gtの桃野は早くもステージの床をのたうち回る。お揃いの白ポロシャツとメガネというそのヴィジュアルのイメージから、彼らのことを線の細い文系ロックのニューカマーだと思っている人もいるかもしれないが、一度でもライブを体験すれば一目瞭然、monobrightは完全に肉体派のバンドだ。強烈なリフの切れ味だけでグイグイもっていくその楽曲もメチャクチャ筋肉質、ロックンロールのエッセンスのカタマリだ。声が裏返らせながら「僕らのありったけのエモーションをぶつけたいと思います!!!」と叫んで、早くも代表曲の風格を漂わす“未完成ライオット”と9月5日リリースの新曲“頭の中のSOS”を続けざまに叩きつける。たった3曲だったが、終演後には会場のあちこちから歓声とため息が聞こえてきた。そんな衝撃的な出会いとともに、SWEET LOVE SHOWER2007の2日目は幕を開けた!
ロックとポップが抱き合う、BEAT CRUSADERSタイム!


空は雲に覆われているが、昨日のこの時間帯にはピークにかかっていた濃霧はなく、時おり吹く涼しい風が心地よく身体を包んでくれる。SWEET LOVE SHOWER 2007、2日目、最初にMt.FUJI STAGEに上がるのは僕らの愛すべき「国民的お面バンド」(もう、そう言っても過言ではないでしょう!)、BEAT CRUSADERS! おなじみの“サスカッチ”が流れ出すと、会場の期待感が一気に、グッと増す。メンバーはお面と同じく自らの顔がプリントされた超巨大風船を携えて登場!
そして風船はオーディエンスに投げ込まれ、しなやかに宙を舞い、会場を遊泳する。ステージの背後には、昨日は霧で隠されていた富士山の輪郭と湖が見える。ビークルの巨大風船と美しい自然風景。そのギャップが笑いとともに妙な感動を与えてくれる。まず、鳴らされたのは“TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT”! 昼時の身体を刺激するように疾走するサウンドとポップなメロディが会場全体に響き渡り、いくつもの拳が空に突き上がる。そして、最早おなじみの「セックスとドラッグとロックンロール、どれが一番好きですか!?」にはじまり、「そうですか、セックスですか!」に終わる、おま●コールへの誘い。こんな、数千人を巻き込む下ネタのあとに奏でるのは、泣きのメロディとシリアスなメッセージ性が炸裂する“ISOLATION”なのだからビークルは本当に侮れない。あふれるヒューマニティをエロで隠す、照れ屋のお面軍団。彼らの素晴らしきロック精神は、ポップなエンターテイメント精神としても機能する。
終盤ではめったに披露しないサザンオールスターズのカバー曲“希望の轍”を演るなど、サービス精神もたっぷりの30分。さあ、身体がいい感じにあったまってきた!
ロックンロール・モンスター9mm Parabellum Bullet、
会場を狂気の渦へ!


BEAT CRUSADERS終了直後からLAKESIDE STAGEに駆け足で移動するお客さんが多い。9mm Parabellum Bulletの登場だ! 開演前から本人達が実際に数フレーズ演奏してサウンドチェックの最終確認をしていたのだが、それだけで拳を振り上げ、拍手を送る人達もいた。何てったってライヴに高い定評のあるバンドだ。
一度袖に引っ込んでから、ライヴ開始のジングルが鳴り、いよいよ本番。滝がギターをマシンガンに見立てて観客を打ちまくるお馴染みのパフォーマンスも登場し、テンションは一気に加速していく。1曲目の“Mr.Suicide”のイントロでヒリヒリと鋭く、ガリガリに尖ったギターが静寂を裂いたその瞬間、ステージ前にモッシュができ、会場の熱はますます急上昇。ギターを振り回す菅原と滝といい、コーラスマイクを膝の高さにセットするほど深く踏み込んで低いうねりを出す中村のベースといい、音を完全に身体全てで表現している。2本のギターとベースのネックが自在に動き回り、飛び跳ね、自らを振り回す様は、まるでキングギドラだ。まさに正真正銘のロックンロール・モンスター。菅原の絶叫はさながら怪獣の咆哮と言ったところか。3曲目の“The World”が鳴り出すころには、ステージ前だけでなく、PA後方にもモッシュができ、2〜30人の大群が輪を作り、飛び乱れていた。
「昨日はもっと天気が酷かったから、今日来てる人はラッキーだよ」と言う菅原(ちなみに菅原は昨日から会場入りし、ビールとライヴを存分に楽しんでいた)のMCに続いて始まったのは“marvelous”。メンバーのボルテージも一層高まったのか、滝はステージ脇でギターも半分放り出して踊り、歌い終えた菅原はステージを飛び降りて柵の上から観客を煽る。「もっと! もっと!!」と声を荒げ、続けて凄まじい音圧で“Talking Machine”を轟かして、ライヴを終えた。残響音の余韻に酔いしれた後、一瞬の沈黙をおいて拍手に包まれた。ロックンロール濃度の高いSWEET LOVE SHOWER2日目、ここからまだまだ加速します!
ロックの夢と真実を響かせたThe Birthday



穏やかな風が会場をやさしく包みこむ昼下がりのMt.FUJI STAGEに登場したのは、その和やかなフィールドをヒリヒリと鋭いロックンロールの世界へ連れ去るThe Birthday。その誕生と共に精力的にライヴを重ね続け、この夏も各地のイベントを歴戦しながら、バンドが生まれ、育っていく様をオーディエンスに曝し続けてきたThe Birthdayのライヴは、今日も彼らの生き様を鮮烈に映し出していた。
まず放たれたのは、すべてのロックンロールへの夢を引き受けるようなチバのギターで幕を開ける“ALRIGHT”。すでにライヴでは披露されているものの、今のところリリース予定のないこの楽曲は、ミドルテンポの曲調にのって<夢を見ようぜベイビー><空は青いはず きっとうまく行くさ>とチバのロックヴォイスが語りかける、胸に深く突き刺さるナンバー。スクリーンに映し出されるチバの顔が、いい。一見穏やかに見えるその表情は、しかし目が鋭く世界を見つめていて、とても「尖った」面構えだ。そのまま初期および最新のシングル曲“stupid”、“アリシア”の連打。鋭いグルーヴが轟くロックナンバーがフィールドを揺らしていく。オーディエンスはステージの4人が発せられる圧倒的なオーラと音に半ば圧倒されながらステージを見入っていて、1曲ごとに大きな拍手が湧き上がる。
「キモチいいね、ここね。でもアレ、富士山じゃないんでしょ?」とチバが的外れの方角をさす。オーディエンスからステージ後方が富士山の方角であることが告げられ、クハラが「まったく見えませんね」と笑う――そこでチバが一言。
「大き過ぎて、見えないんだわ」
――この人はどうしてこんなにも簡単に人の心をかっさらってしまうのだろう。
ここで9月12日リリースのニューアルバム『TEARDROP』から、決定的なる名曲“KAMINARI TODAY”。ロックンロールを信じて走り続けてきた人だけが、そして今も信じて走り続けている人だけが鳴らせる、恐ろしいほどの名曲。チバの今までになくストレートに心情を綴った核心だけを突く言葉達、それをまっすぐに放つロックの代名詞のような声。一音の中に大きなドラマを描くイマイのギター。しなやかにリズムを走らせるクハラのドラム。3人の強者を前に一歩も引くことなく、きっちりと自分を主張する音を鳴らすヒライのベース。すべてが信じられないくらい愛しい音色で、ロックンロールの「真実」たるこの名曲を響かせている。
冒頭に「ヒリヒリとした鋭いロックンロール」と書いたが、The Birthdayの鳴らす音は、どの音もロックンロールに対するロマンと夢に溢れている。だからそれは、尖っているし狂気的だが、同時にどうしようもなくロマンティックで、その中には不思議なやさしさと、そしてシンプルだけど何よりも強くて信じられる「愛」を感じることができる。
ラストは、これもニューアルバムの珠玉の名曲のひとつ、“LUST−チェリーの入ったリンゴ酒を見て想うこと”。地を割り、そのまま天へとまっすぐに昇るような、強く、大きなグルーヴとロックンロールの夢が、会場を突き抜けて行った。
YOUR SONG IS GOODがLAKESIDE STAGEを「インスト天国」に変えた!


6人の男が静かにステージに現れて、おもむろにサウンドチェックを開始する。その音の連なりは、徐々にちょっとしたジャムセッションのようなグルーブを形成していく。この時点で踊りはじめるオーディエンス、続出。音を鳴らしているのは、もちろんローディではない。オルガン・インストバンド、YOUR SONG IS GOODだ。
さらに、「みなさん、もうちょっと前のほうに、あ、あ、あ、」とお客さんを前線に呼び込みながら、マイクチェックさえはじめてみせるリーダーのサイトウジュン。そして、音を止めると「YOUR SONG IS GOODです、このあとライブやりますんで、よろしくお願いします!」と挨拶。ちょっと、あまりに粋すぎやしないか!?
その後、間もなくして再びステージに現れた6人は“ウイッス!ウィッス!ウイッス!”“熱帯Boy”を矢継ぎ早に放出。縦横無尽に疾走するオルガン、扇動的なギターのカッティング、地を這うようなリズム、威風堂々としたトロンボーン。それらが激しくぶつかり合ったあとに、やがてひとつに溶け合い、ユアソンしか創造できないアグレッシブかつソウルフルなサウンドが生まれる。
4曲目“ブガルー超特急”の前に「ここでスペシャルゲストを呼びたいと思います!」とサイトウに導かれて登場したのは、ユアソンの同志であるインストバンド、SAKEROCKのハマケンこと浜野謙太!あのイジられキャラを全開に中指を立てながら「インストバンドをなめんじゃねえ! 踊れ〜!」と叫ぶハマケン。そして、ハマケンの指令どおり、満面の笑みを浮かべながら飛び跳ねるお客さん。
ラストはトロピカルなムード満載の“SUPER SOUL MEETIN’”から“The Outro”と一気に駆け抜けた。そこには、祝祭的で享楽的な音楽空間が広がっていた。そう、YOUR SONG IS GOOD(+ハマケン)がLAKESIDE STAGEを「インストバンド天国」に変えてみせたのだ。
山中湖に激震走る! マキシマム ザ ホルモン参上!



今、最も「巻き込む」力をもったロックバンド、マキシマム ザ ホルモンの登場を前に、Mt.FUJI STAGEは最後方までオーディエンスでパンパンだ。パンク好きはもちろん、へヴィロックファンからポップファンまで、インディファンからメインストリームファンまで、一度でも目にした者、耳にした者に決して素通りすることをゆるさない強烈なインパクトを残すマキシマム ザ ホルモン。「SWEET LOVE SHOWERという名のライブハウス山中湖にようこそ! 私たちはコンサートのりや学園祭のりでここに来たわけではありません! みなさんと音の喧嘩をするためにやってまいりました!」というDr&Voのナヲの威勢のいいMCからもわかるように、彼らの音楽は本質的にハードコアだ。でも、そんなハードコアな芯はそのままに、ライブは前代未聞のエンターテイメント空間へと昇華していく。
“恐喝〜kyokatsu〜”で会場中に巻き起こしたヘヴィメタのライブ顔負けのヘッドバンギング、“ぶっ生き返す!!”でピークに達した激しいモッシュ、“糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー”のコーラスで沸き起こる大合唱。すべてのオーディエンスが笑顔を浮かべ、ホルモンが放射する一音一音に合わせてグチャグチャに楽しんでいる。とにかくメチャクチャ盛り上げ上手なマキシマム ザ ホルモンは、お約束の「麺カタ!」「こってり!」「ヤッター!」のポーズをオーディエンスだけでなく、舞台の袖にいたACIDMANにまでやらせてしまうほどだ。
「こんなにたくさん来てくれた熱き音楽バカ野郎ども! ありがとうございました!」、そんな感極まったナヲのMCからラストの“恋のメガラバ”へとなだれ込むと、Mt.FUJI STAGEはこの日最大の揺れを記録。そう、文字通り地面が大きく揺れているのだ。ここ山中湖で、マキシマム ザ ホルモンは最高の「夏フェス納め」を果たした。



会場内では、ライブ以外にもアトラクションとして気球とカヌーが体験できました。
どちらも連日大人気でしたが、2日目にはなんと!The Birthdayのメンバーが気球に乗るという一幕も!!自然にも触れられてアーティストのレアな姿が見れて、まさにそこはSWEET LOVE SHOWERならではの空間でした。
我らがアニキ、Ken Yokoyama参上!



夕暮れに近づき、グッと涼しくなってきた会場。しかしマキシマム ザ ホルモンで沸騰したフィールドの熱気が収まる気配はない。スタート前から湧き上がるOiコール。そして大歓声の中、我らがアニキ=Ken YokoyamaとKen Bandがステージ上に登場!
「Hi, Are you ready? まずシングルの中から行きます! レッツゴー!!」
横山の掛け声と共に、抜群の疾走感で一気に駆け抜ける“Pressure”がスタート! 続いて“Jealous”の爆裂するリフでステージ&フィールド両者のテンションはあっという間に最高潮へと上り詰め、オーディエンスの拳が一気に上がる。そしてそのまま“Not Fooling Anyone”へ。横山特有の絶妙な切なさを湛えたメロディが、軽快なビートに乗って空へと放たれる。3コードで体現されていく衝動や疾駆するビートもパンクの醍醐味だが、やはりこういう宝物のように美しきメロディが、彼の大きな魅力なのだ。そして多くの人間が彼の虜になるもうひとつの理由、横山の人間性がそのままライドオンされたような情緒深く、強い音色のギターソロ――それが大きな情景を描き出しながら、フィールドに響きわたる。
普段は白でプリントされている顔部分を茶色くプリントしたKen Tシャツを「日焼けKenちゃん」と無邪気な笑顔でアピールする、彼のチャーミングな人柄が表れたMCを挟んだ後、“Summer Of ‘99”へ。真夏の熱気も焦がすような爆発力のあるパンクチューンが、迫りくる秋を拒むかのようにフィールドを燃やす。片足を一歩前に出して前傾気味にマイクに向かい、目の前のキッズに向かって音楽を届けていく横山。それに全身で応えるように、オーディエンスの手が上がり、身体が揺れている。
富士山ネタにちなみ、「俺が今思いつくのは……♪フジ〜サファリパーク!」と歌う横山。すかさずスクリーンに大写しになる、ステージ上に置かれたトラのぬいぐるみ……芸が細かい。そんなコミカルなMCとは裏腹に、9月5日リリースのアルバムから、シャウト気味に発せられる強い歌と高速ビートが一気に気持ちを持っていくタフなアッパーチューン“Why”を初披露、そして重いギターの唸りから爆裂するカオスに突入する“Running On TheWinding Road”へと続いていく。
その後、横山による黒柳徹子のモノマネというプレシャス(?)な余興を挟んで鳴らされたのは、なんとHUSKING BEEの名曲“Walk”のカバー! あの時代に青春を過ごした自分のような人間にとっては思わず涙がこぼれてしまうような、素敵なプレゼントをもらった。ラストは“Believe”。日々を生き、メロディを作り、仲間と鳴らし合い、そしてギターを持ってステージに立つ。若い時から強い信念を持ってそれを繰り返してきた彼の人生が、そのまま音になって放たれていく――横山の音楽が喜怒哀楽のすべてを鳴らしてしまうのは、だからなのだ。
やさしくて強い、まっすぐに前を見つめて歌う横山の顔が、最後までスクリーンに映し出されていた。
チャットモンチーが鳴らした「ドラマティックなリアル」



17時5分。夕刻のLAKESIDE STAGEは、昨日と同じく霧雨に包まれ、気温もグッと下がってきた。それでも多くの人がTシャツ1枚という臨戦態勢でチャットモンチーのライブを待ちわびている(くれぐれも風邪をひかないように!)。デビューから2年弱、ひと時も止まることなく驚異的なまでのスピードで進化を続けている彼女たちは、早くも日本のロックシーンの中心にその立ち位置を築こうとしている。
3人がステージに現れると、オーディエンスの期待感が強く込められた歓声と拍手が起こる。それに応えるように1曲目の“女子たちに明日はない”、続く“恋の煙”で重量感のあるサウンドと透徹した美しさが宿ったメロディをオーディエンスの耳に刻みつける。何しろ橋本絵莉子の切迫した声にはいつも強く胸を締め付けられる。なんだろう、恋に彩られる人生の儚さと深遠を教えられるようなこの感覚は。そして、ロマンティックな世界観にロックのリアリティを吹き込む3曲目“バスロマンス”を聴きながら思った。ああ、チャットモンチーの3人はありとあらゆる物事の本質をつぶさに見つめながら、その心と身体を躍動させているのだ、と。だから、彼女たちはこんなにも「ドラマティックなリアル」を音楽に乗せることができるのだ。そして鳴らされた、ニューシングル“橙”。スケールの大きさが印象的なこのロックバラードに、彼女たちの充実した現在地を知る。
ラスト2曲はトリッキーな構成なのだけれど、最終的にはものすごく気持ちのいい場所に導いてくれるという「チャットモンチーのカタルシス」がみなぎる“とび魚のバタフライ”と“シャングリラ”。気づけばデビューから最新まで、シングルに収録された曲だけで多面的なライブを展開していた。百戦錬磨のライブバンド&アーティストが数多く集結したSWEET LOVE SHOWER2007もいよいよ佳境を迎えようとしている。そして、この日の出演者の中で唯一女性だけのメンバーで構成されたチャットモンチーは、その独自の存在感を豊潤な音楽によって示してみせたのである。
ACIDMAN、心を震わす渾身のライヴ!



降り出すかと心配した雨は本降りにはならなかったが、しかし寒さと暗さは徐々にMt.FUJI STAGEを覆い出していた。
お馴染みの“green chord”がSEで流れるとそんなこともどこ吹く風、だ。大歓声と拍手に迎えられて、SWEET LOVE SHOWER初参戦のACIDMANの登場である。「盛り上がっていくぞ!」という大木の一声で空気は一気に引き締まり、力強い歌声が山中湖の空に響き出した。音圧高く鳴らされる硬いギターリフ、スウィングするベースライン、しっかりとリズムを刻む安定感のあるドラム。スリーピースという、バンドとしては最もシンプルな編成でありながら、ACIDMANのライヴの音圧はとてつもなく大きい。続けざまに、“波白く”で観客の冷えた身体をゆらし、“スロウレイン”で大地をゆらし、“赤橙”で心をあたたかくゆらしてくれる。
ACIDMANにとっては初めて訪れる山中湖で、特に気合いが入っていたのかもしれない。「山中湖、ありがとう! 見えないけれど富士山、ありがとう!」。この浦山のMCにACIDMANのライヴは集約されるのだろう。最終曲終了後の大木の「ありがとう」まで含め、このライヴで彼らは「ありがとう」を何度も何度も繰り返した。轟音で絡み合う迫力あるサウンドと、心を震わせる大木の歌で表現されるのは、とても大きな愛と闘い決意する歌であり、同時に自分と愛する他者へと向けられた惜しみない「ありがとう」を尽くす賛歌なのだと思う。
浦山のシャウトが会場に響いた“Returning”、「まだまだ行くぞ!」という掛け声の下に鳴らされた新曲“REMIND”、佐藤が手を掲げて観客をあおった“ある証明”、そのどれもが3つの確かな魂で鳴らされていた。ACIDMANのSWEET LOVE SHOWER初参戦にして、渾身の限りを尽くしたライヴを経て、いよいよ2日間にわたったSWEET LOVE SHOWERの大フィナーレに向かいます!
ドリーミーな桃源郷へと誘う魔法の歌声――ハナレグミ


LAKESIDE STAGEから放たれる白い光と空が、鮮やかなコントラストを描き始めた。夜の闇はすぐそこまで訪れ、2日間にわたったSWEET LOVE SHOWER 2007も着実にグランドフィナーレへと近づいている。
そんな18時25分、「カムサハムニダ〜!」というご挨拶と共に、ハナレグミこと永積タカシ、登場! 待ち構えていたオーディエンスから一斉に拍手が湧き上がる。
「昨日、鎌倉にある素敵なパン屋に行ったんです。そこで店主のジュンペイくんが素敵なパンを作っているんですけど、帰り際に、そのジュンペイくんがこう言ったんです……『まだ夏、終わんないっすよね?』…………………終わんないっす〜!!!」――そんなシャウトが永積独特のコミカルなテンポ感で放たれた後、1曲目、“音タイム”がスタート! 日が暮れて肌寒くなったフィールドに温かな波を生み出すアコギとハーモニカの音色に乗って、永積の歌が伸びやかに広がっていく。<さあ始めよう 音タイム>。その歌詞の通り、プレシャスな音楽時間が始まった。
「いやぁ、雨もまた気持ちいいねぇ」。永積の声でそう言われると、それまで冷たく肌を打っていた小雨が心地よいシャワーに感じられるから、不思議だ。これも音楽のひとつのマジックか。“Jamaica Song”では、スチールパンも交えたパーカッシヴなサウンドに乗ってソウルフルな歌を響かせ、フィールドを揺らしていく。不可思議にファンキーなステップを踏みながら、コーラスを求める永積。もちろん、オーディエンスからは温かな合唱が返される。音楽という共通言語を通して、とても幸福な会話が交わされていく。
永積タカシは、本当にスペシャルな声の持ち主だ。ふわりと空に舞い上がるような透明の羽を持つ彼の声は、聴いている者を幸福な気持ちで包み込むだけでなく、日々のさり気ない出来事にこそ人生の大切なことや愛おしさがあることを教えてくれるようでもある。
そんな声がひときわ大きな輝きを見せる不朽の名バラード“家族の風景”が、そこに込められた大切な想いと共に、すっかり暗くなったLAKESIDE STAGEを満たしていた。もはやハナレグミ・ライヴの代名詞とも言えるしゃぼん玉も、その小さな球体に照明の光を乱反射させながら、夜空に静かに昇って行く。
「じゃあ、旅の歌を」。そんな一言から始まった最後のナンバー、“People Get Ready”。零れるように爪弾かれるアコギの音色と、静かにエモーションを高めるハーモニカだけを従えた永積のドリーミーな歌声が、ゆっくりとオーディエンスを異空間へと連れて行く。そして辿り着いた桃源郷――ここで見た景色を忘れることは決してないだろう。
夏の最後のウルフルズ、万感のラストアクト!



2日間にわたって開催されたSWEET LOVE SHOWER2007も遂にラストアクト。フィールドを埋め尽くしたオーディエンスが待っているのは、今や日本のロックフェスの顔役とも言えるウルフルズだ。昨今のロックフェス・ブームの中、「フェス時代のロックバンド」と言えるようなバンドがいくつか生まれてきたが、ウルフルズはそんなブームが来るずーっと前から活躍しているにもかかわらず、「フェス時代のロックバンド」を代表する唯一無比の存在。誰からも愛され、そしてどんな人にも愛を与える、ウルフルズがステージに上がるだけでそこに祝祭の空気が生まれるからすごい。
ヘソの下まで切れ込みが入り、後ろは半ケツが出た銀色のツナギで現れたトータス松本。すっかり暗闇に包まれて、昨日同様に肌寒い山中湖のMt.FUJI STAGE(結局2日間とも富士山を拝めなかった! 残念!)だが、「ちょっと油断すると寒くなってくるから踊りまくってくれよ! 歌いまくってくれよ!」とトータスがオーディエンスを鼓舞するように、“サマータイムブルース”や“SUN SUN SUN ‘95”が繰り出されるウルフルズのステージだけにはいまだ真夏の熱が渦巻いていて、みんながその熱を名残惜しそうに浴びている。
それにしても、百戦錬磨とはまさに彼らのこと。ステージの上での立ち姿のキマリっぷり、楽器一つ一つの音の粒立ちの良さ、磨き上げられたファンキーなグルーブ、すべてが別格だ。続けざまに演奏されたウルフルズにとっての最新のキラーチューン“サムライソウル”と、往年のキラーチューン“バンザイ〜好きでよかった”を聴いて改めて思う。ウルフルズの歌っていることはこの10数年なんにも変わってないし、それは人にとって今も昔も最も大切なこと=人を愛することなんだと。
“いい女”で本編を終えたウルフルズは、「やるに決まってるんだろ!」と叫びながら再びステージに現れ、あの“ガッツだぜ!!”のイントロをかき鳴らした。最後の最後まで踊りまくって歌いまくって笑いまくっていたオーディエンス。ウルフルズのファンキー天国で2日間の夢が終わると、山中湖の夜空に何十発もの花火が打ち上げられた。SWEET LOVE SHOWER 2007とともに、僕らの夏が終わった。
SWEET LOVE SHOWER 2007、グランドフィナーレを迎えました。みなさん、本当にありがとう!

2日間にわたって行われたSWEET LOVE SHOWER 2007が、鳴り止まない歓声と夜空を彩る大輪の花火の下、遂にグランドフィナーレを迎えました。
スペースシャワーTVと音楽との熱い絆を示すひとつの証として、10年以上の長きにわたって日比谷野外大音楽堂にて開催されてきた本イベント。馴染みの場所を飛び出し山中湖畔での開催となった今年のSWEET LOVE SHOWER 2007が大盛況の中で無事に終演を迎えたことは、スペースシャワーTVにとっても、この国の音楽カルチャーにとっても、とても幸福な出来事だと思います。
参加してくれたみなさん、そして力いっぱい心を込めてパフォーマンスをしてくれた全22組のアーティストのみなさん、本当にどうもありがとうございました。
この2日の間に、私達はプレシャスで幸せな瞬間をたくさん体験することができました。その思い出を胸に、また明日から音楽と共に歩いていきましょう。また来年、音楽を真ん中にみなさんと笑顔で出会えることを、心から楽しみにしています!
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