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Salve feat. JJJ / KID FRESINO

2017年2月のアーティスト

Profile

1993年生まれのラッパーKID FRESINO(キッドフレシノ)。ヒップホップ・ユニット“FlashBackS”のメンバーとしても活動。
1月23日に「Salve」をリリース。

オフィシャルサイト

Power Push! Interview


個性的なトラックをスマートに乗りこなし、飄々としたアティテュードも込みで、新世代の日本語ラップシーンを牽引するKID FRESINO。異端でありながらスタイリッシュ。そんな作風と存在感で人気を集める彼が、生バンドでの楽曲制作に初挑戦した新作『Salve』をリリースした。今回はNYから帰国中の彼をキャッチ。新作の制作ウラ話やNYでの生活、そしてちょっと意外な(!?)目標まで、たっぷり語ってもらいました!

Text_猪又孝 Photo_依田純子

―2月期の「Power Push!」に選出された「Salve ft. JJJ」は、聴いているとどんどん気分が晴れやかになってくる曲ですね。テンポ的にも街を歩きながら聴きたい曲だなと思いました。

ウキウキ感を感じてもらえてたら、それだけで十分です。みんなの生活の音楽になればいいなと常に思っているので、外に出掛けたときとか車の中で聴けるって言われるのがいちばん嬉しいですね。

―この曲はどんなふうに作っていったんですか?

ギターが特徴的なので、ギターに合うラップをしようと思って書いていきました。いつもは歌詞を頭から順番に書いていくんですけど、今回は初めて1ヴァース目の始まりの4小節、次に2ヴァース目の始まりの4小節というふうに書いていったんです。そうすることで「1ヴァース目がこう来てるから、2ヴァース目はこうだな」とか、ラップの入り方とか間の取り方とかを比べながら書けるんで。結果、いい意味で違いが出て、出来が良くなったなと思ってます。

―その曲を収めた新作『Salve』では、バンド編成による生楽器の演奏での楽曲制作に初めてチャレンジしましたね。

まずPETROLZの三浦(淳悟)さんとやりたかったというのがあるんです。だからドラムの柿沼(和成)さんは三浦さんの紹介だし、ギターの斎藤(拓郎)さんとウーリッツァーの佐藤(優介)さんはエンジニアの葛西(敏彦)さんの紹介で。

―葛西さんは最近、D.A.N.やnever young beach、スカートといった話題作を次々に手掛けられていますが、彼と音を作りたいという思いもあったんですか?

もちろんそれはありました。だけど、それ以上に三浦さんが大きな軸にありますね。

―三浦さんとはもともと親交があったんですか?

ないです。だから、スタッフを通してお願いしました。三浦さんの存在を知ったのはLoop Junktionです。みんな的にはPETROLZのジャンボさんかもしれないけど、自分的にはLoop Junktionの三浦さんなんです。日本語ラップをいろいろ掘って聴いていく中で、『Turkey』というアルバムを知ったんです。

―制作作業はどのように進めていったんですか?

「Salve ft. JJJ」と「Keys open door ft. Campanella」は三浦さんが弾くベースに他のメンバーの方々が合わせてセッションしていくっていう作り方ですね。僕はその様子をコントロールルームから見ていたんですけど、2曲合わせて30分くらいで作っててすごいなと思いました。「by her ft. 茂千代」は、今回バンドでやることが決まった直後に佐藤さんがデモを12、13曲送ってきてくれて、そこから選んだ曲をみなさんに演奏してもらったんです。

―生演奏のトラックにラップを乗せてみて、打ち込みとどんな違いを感じましたか?

声が浮くんですよね、生バンドでやると。打ち込みだと根本的な音楽の才能がなくてもたぶんラップができちゃうと思うんですよ。メッチャ簡単ですからね。でも、生バンドでやるとキーを合わせるっていう問題が出てくるんだなと。

―やってることはラップだけど、感覚的には歌に近い、みたいな。

ほぼ歌みたいなもんだと思いました。普通にラップしたら合わない、みたいな(笑)。あと、楽器の数が少ないから声の占める割合がデカくて。今回のミックスはドラムの音が小さくなってるからドラムの割合も減ってくるし、なおさら声の割合が増えて来ちゃって。単純にムズくて、今までにないくらいラップはメチャメチャ録り直しました。

―とはいえ、吸収するものはたくさんあったんじゃないですか?

ありましたね。単純に相手がミュージシャンですから、そりゃもうスゲエなって。

―そういう環境に身を置いてみてどうでした?

フツーに気まずいっスよね(笑)。「なんかクソガキみたいのが来たけど?」みたいな。まず「ズボン上げな」みたいな感じだと思うんスよ、俺がもしあのメンバーだったら(笑)。こっちはドレミもわからないから恐縮するし、正直言うと、言いたいことをそのままは言えなかったッス。でも、今回やってみて、今度からこういうふうに録っていけばいいかもなっていう、レコーディングのやり方みたいなのは発見できたし、いろいろ勉強できて。またチャンスがあれば生演奏の曲作りにトライしてみたいなとは思ってます。

—「Salve」というタイトルはどんな思いから付けたんですか?

昔、「レンとスティンピー」っていうカートゥーンがあって、その中に「サルヴ」っていう軟膏を売りつけるセールスマンが出てくるんです。パンにも塗れるし、洗剤にもなるし、最高の軟膏だよって売りつける大好きな話があって。もともとはそこから取ってきたんです。でも「サルヴ」っていう読み方はあまりしてなくて、「サルヴェ」って読む人が多い。

—あまり目にしない単語だから調べてみたら、イタリアでも使われてる単語なんですね。

みたいですね。イタリアで革靴に塗るクリームがサルヴの始まりみたいで。

—英語では軟膏という意味もあるし、気持ちを和らげるという意味もあるし、イタリアでは「やあ」っていうくだけた挨拶の言葉だそうで。だから、曲で聴き手の心を癒すとか、聴き手に「やあ」って挨拶するとか、もっと言えば、今回は生演奏に初トライして作りあげたわけだから「新しい自分にこんにちは」みたいな思いもあって付けたのかと思ってたんです。

いやいや、そこまでは……。もともとは単純に言葉の響きから付けたんですけど、そういうことでもいいですね(笑)。ただ、このタイトル、「Slave」って読み間違われることが多くて、それが今、俺が抱えてるいちばんのストレスです(笑)。

—ところで、NYに渡ってどれくらい経ちますか?

2年と4ヶ月ですね。でも、ライブとかプロモーションとかで、半年に1回は帰ってきてる感じになってます。

—海外生活はどうですか?

気が抜けないです。怖い思いもしてるので。だから、ただ生活してるだけだけど、緊張感がすごいです。走ってる人とかを見たらすぐ身構えちゃう、みたいな。そんな状況ですね、今は。

—もともとは語学留学を兼ねて向こうに行ったんですよね。

そうです。この春、卒業したので、次は4月から音響の学校に行くんです。それは楽しみですね。うまくいけばインターンで向こうのスタジオに入れるかもしれないんで。そのために頑張るっていうことしか考えてないですね、今のところは。

—ラッパーという表舞台に立つ仕事をしていながら、そういう裏方仕事にも手を伸ばそうとしているのが面白いですね。根本的に裏方願望があるんですか?

もともとそうですもん。仲間に引っ張り出されてラップを始めるまでは、どんだけ人の背中を押せるか、みたいな感じでやってきたんで。でも、『Horseman's Scheme』を出したあとくらいだったかな。友達に「光る側と光らせる側、どっちだと思ってる?」って訊かれて「光らせる側だと思う」って答えたら「お前は絶対光る側なんだよね」って言われたことが頭に残っていて。じゃあ、ちょっと表舞台で頑張ってみようかなと思って、今やってみてるっていう感じなんですよ。

—ってことは、音楽以外でも裏方のスタッフとかが気になるタイプ?

人よりは気になってるかも。

—主役より2番手のキャラが気になるとか。戦隊モノでいうと、赤レンジャーじゃなく青レンジャーが好き、みたいな。

それで言うと誰も好きじゃなかったですね。

—出演者じゃなく監督をチェックしちゃうとか?(笑)

いや、戦隊モノだったら、ロボバトルのほうが気になってたかもしれない(笑)。ちっちゃいジオラマを作ってぶっ壊すじゃないですか。あれが気になってましたね。しかも、今のご時世、CGとか使ってもっと上手くできるのに、いまだに、あのちゃっちいロボとジオラマでやってるのがヤバイ。最高だなって思います。

—でも、そういうところが気になる子供だったんですね。作り方が気になるっていう。

そう。やり口が気になるんですよ。

—最近はトラックにせよ、リリックにせよ、どんなものからインスピレーションを受けることが多いですか?

最近は結構R&Bですね。あまりヒップホップで「コレ、来てるね!」みたいなのはないです。

—最近のお気に入りのR&Bは?

サンファ(Sampha)とか、ガブリエル・ガルソン・モンターノ(Gabriel Garzon-montano)とか。

—音楽以外で最近興味があるものは?

ビリヤードですね。今、毎日のようにやってます、ひとりで。

—ひとりで?

NYって結構、ビリヤード場があるんですよ。BARに行くと1台はある、みたいな。家の近くにもあって、1度やる機会があってハマったんです。だから、今、頑張ってますよ(笑)。YouTubeとか開いたらずっと試合を見ちゃいそうなくらい。その番で球が落とせないなら次の相手の邪魔をしたりとか、ただボールを落としていくだけじゃないし、いろいろ闘い方があって奥が深いなって。でも基本的にひとりでやってるんで、ゲームにはなってないんですけどね(笑)。

—日本でもバブル期の頃はプールバーがたくさん登場してビリヤードが大流行しましたけど、今は全然見かけなくなりましたね。

向こうでも今やってる人はマジ少ないです。やってる人を見てても煙草とか吸いながらやってて「お前、それ、火種が落ちたらどうする気なんだよ!」みたいな。あの台に張られてる布のことをラシャ(羅紗)っていうんです。ラシャをプロの人たちは女性の肌と同じだと考えてるみたいなんですよ。だからラシャは女性のように大切にしろと。

—ビリヤードへの真剣さは今の話で十分伝わってきました(笑)。

この話はぜひ載せて欲しいですね。もし「俺もビリヤードやってるんだよ」っていうヤツがいたら連絡ください。ビリヤード仲間を募集してますので!

—最後に、現在23歳ですが、25歳までに実現したいことを教えて下さい。

「クレヨンしんちゃん」の映画の主題歌をやることですね。

—小さい頃から「しんちゃん」が好きだったんですか?

最近なんです。俺、結構、後効きの「しんちゃん」で。昔にも遡って観てるんですけど、「最高」以外に言葉がない感じですね。それで声とか声優の仕事もしたくなって。こないだやらせてもらったアディダスのCM(「Tango League」)のナレーションもそこから来てるんです。

—ちなみに、「しんちゃん」のベスト作は?

一般的には「オトナ帝国」なんでしょうけど、どれも全部いいですね。特に風間くんか酢乙女あいちゃんがメインの回は大体素晴らしいです(笑)。

—KID FRESINOが「しんちゃん」の主題歌を歌う。それが実現したら素敵な話だし、子供たちのラップに対する感性がもっと豊かになりそうですね。

そう。実現できたらとても嬉しいですね。まあイケると思ってるから言うんですけど、今の俺みたいなスタイルが子供たちのラップの定番のスタイルになったとしたら最高じゃないですか。そうしたら数年後、すごく面白くなると思うんですよね。

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【KID FRESINOのルーツミュージック】は次のページで!

【KID FRESINOのルーツミュージック】

MONJU『BLACK DE.EP』

最初に聴いたのは確か高1。FebbがCDを買ってきて聴かせてくれたんです。それまで日本語ラップをいろいろ聴いてたけど、「とりあえず全部生ゴミ行きだな」と思ったくらい。ここにラップミュージックはあった、っていうほど価値観がガラッと変わりました。今の僕のスタイルはここから始まってます。

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