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POWER PUSH!

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毎月注目アーティストの一曲をピックアップし、
そのミュージックビデオをヘビーローテーションでオンエア!
2012年12月のパワープッシュアーティストは…

おもてなし / tricot

2012年12月のアーティスト

Profile

「このメンバーなら凄い事が出来る ( 絶対 ) !」と確信し、それまでの各々のバンド活動を終え、2010年9月1日、中嶋イッキュウ(Vo&Gt)、キダ モティフォ (Gt&Cho)、ヒロミ・ヒロヒロ(Ba&Cho)の3人でtricotを結成。2011 年5月にサポートメンバーであったkomaki♂(Drums)が正式加入。 展開の予測できない独特でスリリングな楽曲、それでいて耳から離れない中毒性の高いサウンドに、力強くも可憐で繊細なヴォーカルが絶妙にマッチし唯一無二の世界観を生み出している。自由奔放なキャラクターと、見た目からは想像のつかない激しくタイトなライブ・パフォーマンスで現在シーンを席巻中。 2012年は、ARABAKI ROCK FEST、京都大作戦、FUJI ROCK FESTIVAL、SET STOCK、MONSTER baSHなど大型フェスにも出演し話題を呼んでいる。

Power Push! Interview

2012年最後のPower Push!に選ばれたのは、tricotの1st EP『バキューンEP』から「おもてなし」。オルタナティヴ・ロックやポスト・ロックを通過した同世代のバンドは数あれど、tricotが響かせるロック・サウンドは、明らかなニュー・フェイズを感じさせる。融通無碍に躍動するサウンドと劇的な叙情性をはらんだ歌が、密接な共犯関係を結ぶように共振する楽曲の求心力は、あまりに特別だ。鮮烈なライヴ・パフォーマンスも、結成間もないころからインディーズ・シーンで話題となっていた。2013年2月から始まる「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」への参加も決定! 「おもてなし」と以下のロング・インタビューから、tricotのただならぬ魅力を感じてほしい。

「このメンバーなら凄い事が出来る(絶対)!」

——まずはtricotがどのように始まったのか、訊かせてください。

イッキュウ:もともとは、私とギターのキダさんが高校の軽音学部の先輩後輩で。私が1学年下なんですけど。その時は普通の先輩と後輩みたいな感じで、一緒にバンドを組んだりすることもなかったんです。私は先輩のギターをずっとカッコいいなと思っていたんですけど、私が下手くそだったので、一緒にバンドをやれるとは思っていなくて。

——下手くそというのは何が?

イッキュウ:歌ですね。

——え、下手じゃないよ。

イッキュウ:高校時代はめっちゃ下手だったんですよ(笑)。あの時と比べたらだいぶよくなったんですけど、当時は全然歌になっていないくらいヤバかったので。自分から先輩をバンドに誘うことも考えられなくて。でも、高校を卒業してから先輩に「一緒にバンドやらへん?」って誘ってもらえたんです。その時、私はたまたま別のバンドをやっていて、一緒にやることはなかったんですけど、それから時間が経過して、お互いやっていたバンドが解散したり休止しているタイミングになった時に一緒にやろうということになったんです。当時、先輩はヒロミさんともうひとり女性のドラマーの方とインスト・バンドをやっていたんですね。そのままベースはヒロミさんがいいということになって、まずはこの3人でtricotは始まったんです。

——キダさんは高校時代の中嶋さんをどう見ていたんですか?

キダ:いやあ、変な子やなあと思っていましたね。

——どう変だったんですか?

キダ:見た感じはキレイなんですけど、言動がちょっと変というか(笑)。

——様子がおかしかった?

キダ:おかしかったですね(笑)。そこはいまと変わらないんですけど。

——ヴォーカリストとしては?

キダ:高校の時は全然上手いとは思っていなくて。むしろ下手くそやなと思っていたんですけど。それでもどこかいいなと思う部分があって。

——言動がおかしいところも含めて引っかかるものがあった?

キダ:ありましたね。

——一方、キダさんは軽音学部のなかではいわゆるスター・プレイヤーだったんですか?

イッキュウ:そうですね。みんなから「あいつはヤバい!」みたいな、ドーン!という存在感がありましたね。

——ヒロミさんとキダさんは、どういう繋がりでバンドをやっていたんですか?

ヒロミ:私がそのインスト・バンドをやる前にずっとやっていたバンドがあって。そのバンドのライヴを(キダが)たまに観に来てくれていたんです。それで知り合って。

——キダさんはヒロミさんが組んでいたバンドのどんなところに興味を持っていたんですか?

キダ:彼女のベースのフレーズがいいなと思って。面識はなかったんですけど、いつか一緒にバンドを組みたいなと思っていたんです。それで、インスト・バンドを組む時に誘ったんですよね。

——プロフィールには、3人が集まった時に「このメンバーなら凄い事が出来る(絶対)!」と思ったと書いてあって。それぞれが同時期に、決定的に自分が躍動できるバンドを求めていたんですかね?

イッキュウ:そうですね。私はその前に組んでいたバンドを解散してから、ずっと新しいバンドを組みたかったんですけど、メンバーがすぐに見つからなくて。しばらくソロ活動をしていたんですね。

——弾き語りとか?

イッキュウ:バンド形態やったんですけど、メンバーはサポートで。それまでは自分で曲を作ったこともなかったので、自分でいろいろやってみようと思ってしばらくソロで活動していたんです。でも、やっぱりバンドがやりたいという気持ちがずっとあって。それで、ソロのライヴで先輩がサポートでギターを弾いてくれたことがあったんですね。その時の打ち上げで勢いで言ってしまったんです。「一緒にバンドやりたいです!」って(笑)。

——コマキさんとはどういう出会いで?

コマキ:この3人の正規ドラマーがなかな決まらない時に知り合いを通じて「滋賀にドラムを探しているカッコいいバンドがおるで」っていうのを聞いて。Myspaceにtricotの音源が2曲上がっていて、それを聴いて「確かにこれはヤバい!」ってなって。それで僕から一緒にやりたいって連絡したんです。それが2年前くらいですね。まずは一緒にスタジオに入って、それから5ヶ月くらいサポートをやらせてもらって。最初はだいぶ様子見な時期があったんですけど(笑)、去年の5月に正規メンバーになってから、前に組んでいたバンドも全部辞めてtricotに集中するようになったんです。

——コマキさんはtricotのどんなところにグッときたんですか?

コマキ:何の前情報もなく音源を聴いたんですけど、最初ゴリゴリしたギターで始まって、いきなり変拍子になった時に「イカつ!」と思って(笑)。いわゆるアンダーグラウンドなポスト・ロックみたいな感じなんかな?って一瞬思ったんですけど、イッキュウの歌が入ってきた瞬間にいい意味ですごいポップスになるんですよね。その瞬間に「これは普通じゃない!」と思って。

——まさに。サウンドの強さに歌のポピュラリティーが負けていないですよね。

コマキ:そうですね。僕も京都のアンダーグラウンドのシーンでずっと音楽をやってきて、そこにけっこうどっぷり浸かっていたんですけど、ちょっとフラストレーションを感じていたところがあって。

——ディープになりすぎたり?

コマキ:とか、一般大衆に向いてないっていう。音楽的には好きやけど、ちょっと違和感も覚えていて。そういう意味でtricotはめっちゃいい塩梅やったんですよね。

——コマキさんはこれまで女性メンバーばかりのバンドでドラムを叩くことはなかったんですか?

コマキ:はい、初めてでした。やっぱり最初は正直めっちゃ戸惑いましたね。それまではずっと年上の人と男臭い感じのバンドをやっていたので。いきなりみんな年下で、女の子ばかりのメンバーと一緒にやるってなった時に意思疎通が上手くいかんかったりして。最初はいろいろありましたね(笑)。

——3人は最初にコマキさんと音を鳴らした時にどういう感触がありましたか?

コマキ:この話をすると、いつもちょっと暗くなるんですけど(苦笑)。

イッキュウ:なんか、すごいヤな感じのやつが入ってきたなって(笑)。年上の男やから、しっかりせなあかんと思っていたらしいんですけど、なんか、ねえ?

コマキ:めっちゃ空振りましたね!(笑)。

イッキュウ:プライド高そうな感じで入ってきて、マジでちょっと絡みにくかった(笑)。

一同:(笑)。

イッキュウ:でも、ドラマムは上手いなと思って。

——キダさんは?

キダ:「ふーーーん」っていう感じ。

——いまは違うでしょ?(笑)。

キダ:いまは「ふーーん」って(笑)。

——ちょっとだけニュアンスが変わるんだ(笑)。

キダ:好きにやってくれたらそれでいいと思ってます。

——でも、この4人のバランス、かなり絶妙ですよね。

イッキュウ:3人の時から言ってたんですけど、たぶん誰が入ってきても3対1になるところがあると思うんですよ。

コマキ:そうやね。ホンマに小学生が何やっても面白いみたいな、「ウンコー!」言うてたら面白いみたいな感覚ってあるじゃないですか。この3人はああいう感覚を持ったままハタチをすぎちゃったみたいな感じなんで(笑)。

——いまはちゃんとインタビューに応えてくれているけど。

イッキュウ:小学生なんで、大人の人に囲まれるとシュンってなっちゃうから(笑)。

——いや、全然ウンコモードでいいんだけど(笑)。でも、毎月YouTubeに上げている「tricot movie」で見せる姿はまさにそういう感じですよね。

イッキュウ:そうですね。あれがオフショットです(笑)。

コマキ:ホンマにあれが普通なんですよ。動画のためにがんばってるとかじゃなくて、普通に遊んでいるなかの面白いやつをたまたま撮りました、みたいな感じなんで。普段のスタジオとかツアーの移動中とか、曲作り中とかも、基本あれなんです。

とにかく自分が弾いていていいなと思った音をループさせていく

——曲ができる行程はどういう流れが多いんですか?

イッキュウ:スタジオで合わせることから始まるんですけど、基本的には先輩のギターをきっかけに広がっていく感じですね。

コマキ:で、そこからセッションをしながら構成を決めて、最後にヴォーカルが乗っかっていくっていう。

——あ、歌はあとから乗っけるんだ。

イッキュウ:そうですね。

——tricotの曲は、歌とサウンドがまったく分離していないですよね。オルタナティヴ・ロックやポスト・ロックを通過した同世代のバンドってたくさんいると思うんだけど、tricotの場合はそれがまったく定型になっていない。変拍子やキメの多いスリリングでトリッキーなサウンドの展開にも、そこに乗っかってくる歌にも必然の熱量と求心力を感じさせる。キダさんはいつもどういうイメージを抱いて、曲の世界をギターで導いていくんですか?

キダ:イメージは特にないんですけど、とにかく自分が弾いていていいなと思った音をループさせていく感じですね。

——他のみんなはサウンドを構築するうえで意識していることはありますか?

ヒロミ:私も感覚的なことばかりですね。常に自分がグッとくるポイントを探すというか。

イッキュウ:私はギターが全然弾けないから、セッションの時はいつも必死なんですけど、メロディーや歌詞のイメージが浮かんでくる時もありますね。

コマキ:その時々で変わるんですけど、基本的に最初は歌が乗っかることはあまり考えないで、ギターとベースの絡みで面白いフレーズを叩こうという気持ちがあって。そこから「これなんとなくAメロっぽいな」とか「これサビっぽくなりそうやな」みたいなギターのフレーズが出てきたら、歌が乗っかってくることを意識しますね。

——4人で音を合わせている時にサウンドが無軌道になって、収集がつかなくなることもあるんですか?

コマキ:盛り上がりすぎるとたまにありますね。

イッキュウ:引き算するのが難しかったり。もうちょっとスッキリしたいんやけどなっていう時と、逆にもうひと展開欲しいやけどっていう時もありますね。

——イッキュウさんの歌のルーツはどんなところにあるんですか?

イッキュウ:物心ついた時から歌が好きで。ずっと歌手になりたいと思っていたんです。小さいころはアイドルとかが好きで。モーニング娘。にすごくハマって、小学生の時にオーディションとかも受けていたんですけど。

——本気のやつだ(笑)。

イッキュウ:本気のやつですね。でも、中学生になってから洋楽ばっかり聴くようになったんです。エミネムとか。

——エミネム!

イッキュウ:50セントとか。

——50セント! モー娘。からゴリゴリのヒップホップへ移行したの?

イッキュウ:ラップも好きでしたね。自分ではカラオケで歌うくらいなんですけど。他には日本のインディーズのロックも聴き始めて。でも、いろいろ好きでした。大塚愛さんも浜崎あゆみさんも好きでしたし。

——自分で曲を書き始めたのは?

イッキュウ:歌詞は小さいころから気づいたら書いていたんですよね。携帯を持ち始めたら、メモをしたり。恋愛したことないのに「会いたい」とか(笑)。でも、いちばん自分の歌に影響を受けたのは、高校の軽音に入って聴き始めた椎名林檎さんで。それまでは雑食やったんですけど、林檎さんに出会ってからはしばらく林檎さんの曲しか聴いてない時期がありました。衝撃でしたね。「こんな歌い方もあるんや!」とか。

「『おもてなし』の歌詞はバンド活動をしていて感じたことを書いた部分もありますね」

——今回Power Push!に選ばれた「おもてなし」は、バンドのサウンドと歌のダイナミズムが、さらに一段階上に跳ね上がった印象があって。キダさんのZAZEN BOYS的オマージュを感じさせる細かく震えながら刻まれるリフから始まり、高い緊張感を維持しながらサウンドが展開されていく。そして、サビのメロディーが表れた時のカタルシスもすごくいい。この曲はどのように生まれたんですか?

イッキュウ:いつも通りの曲作りのなかから生まれたんですけど、曲作りを重ねていくにつれて、もっと面白いことをしたいという欲が湧いてきて。初期に比べてもっと面白くキャッチーにしたいという欲が。でも、そういう欲が詰まりすぎると削れへんくなってきたりするんですけど、「おもてなし」はちょうどいいところに着地したなって思います。

キダ:作る段階からすごく難しかった。これもしたい、あれもしたいってカオスな感じになって。でも、最終的には上手いこと、いい感じにまとめられたなと思います。

——上手くまとめられた要因は偶発的なものなんですか?

キダ:ですかね。あんまり意識はしてなかったですね。ホンマに「どうしよう? どうしよう?」って言い続けてたらできた感じがあって。

ヒロミ:レコーディングのギリギリにコーラスも完成したんですけど。結果的に歌も楽器もけっこう遊んでいるけど、上手くハマった感じがありますね。

コマキ:歌が乗っかってくるまでは、「これ大丈夫かいな? やりすぎじゃないか?」みたいな感じもあったんですけど、歌が乗っかって一気に方向性が定まったんですよね。レコーディングの直前くらいのタイミングでいろんな夏フェスに出させてもらって。普段は雑誌やテレビで観ているような人らのライヴを間近で観れたり、お話させてもらったりすることもあって。そうやって、いろいろ思うことがたくさんあった時期にレコーディングに入れたので。それもよかったと思います。

——イッキュウさんはどういう意志を持って歌を乗せましたか?

イッキュウ:いつもヴォーカルを乗せるにしては意地悪なオケばっかり上がるんですけど(笑)、でも絶対にいい曲になるという確信があって。ただ、いい曲にするのは自分のメロディーにかかっているとも思うので、オケのカッコよさを崩さないように、曲がさらに届くようにという意識でこの歌も乗っけましたね。

——やっぱりメロディーを乗せるのは難しい面も多いですか?

イッキュウ:そうですね。難しいけど、やりがいがある。ひとりで曲を書いているシンガーソングライターも尊敬するんですけど、そこにはない楽しみがありますから。

——「おもてなし」の歌詞は、不穏な夜の街を彷徨っている女性の物語性を感じさせる。僕が個人的に捉えたのは、それまで周囲にも未成熟な存在として扱われていた少女が、大人になったことを実感したある夜を描いているなと思って。

イッキュウ:たぶんいろんなふうに捉えられる歌詞だと思うんですけど、表向きにはいまおっしゃったような感じもありつつ、バンド活動をしていて感じたことを書いた部分もありますね。周りのバンドを見て思うこととか。

——たとえばそれは?

イッキュウ:流行り廃りと向き合うとか、そういうことですね。それとの闘いというか。

——いつもそういう多面的な歌詞の書き方を意識していますか?

イッキュウ:そうですね。(リスナーが)いろいろ想像できるような歌詞にして、楽しんでもらいたいという気持ちがあるので。その人の思うように捉えてもらいたいです。

やりたくないことをやらない

——ミュージック・ビデオ(以下MV)とジャケット写真ではヒゲを全面に押し出してますけど(笑)、このアイデアは?

イッキュウ:私がもともとヒゲが好きで。アイテムとかじゃなくて、人に生えているヒゲが。

——男性の?

イッキュウ:男性もそうやし、自分にもヒゲが生えたらいいなと思っていて。

——生えないほうがいいと思うんですけど。完全に。

イッキュウ:(笑)。ちょっと貫禄が欲しいんですよね。ヒゲってせこいじゃないですか? ごまかしも利くし、女性の化粧みたいないい部分を持っていると思うんですけど。ヒゲと言えば大人な感じがあるので、今回はちょっと大人なEPになっていますので、ヒゲでいきたいと。それをマネージャーさんも面白がってくれて、真剣にヒゲを用意してくれて。そういうチームがすごく好きです。でも、たまたま今年女性のあいだでヒゲのアイテムが流行ったみたいで。きゃりーぱみゅぱみゅさんも付けヒゲをやっていたので、これは完全に乗っかった感じになっちゃったなと(笑)。でも、全然流行には乗っかってないんです!

——そこは強調しておきましょう。細切りの手法を用いたMVになっていますけど、撮影は大変でしたか。

イッキュウ:たぶん編集の方が大変やったと思います。飛ぶシーンは私たちもけっこうしんどかったんですけど。

コマキ:リズムに合わせて、一歩進んで止まるという動作を繰り返して。その一瞬を繋げてもらって。かなり面白いMVになったと思います。

——来年2月から始まる「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」への参加も決定していますね。意気込みを訊かせてください。

イッキュウ:4バンドで一緒に全国を廻るって、自分たちで企画するでもしないと他にないと思うんですよ。しかも「列伝 JAPAN TOUR」自体がお客さんに期待されているものなので、そこで刺激しあえるのはすごく楽しみです。バンドの音楽性的にも全然違う4組なので。

キダ:もう、生きるか、死ぬかですよね。

——デッド・オア・アライヴで。

キダ:はい(笑)。

——テンションを上げる時は機材車でエミネムを流してください。

キダ:それヤバいですね(笑)。

イッキュウ:エミネムが聴こえてきたら「tricotが来た!」みたいな(笑)。

——ザワザワザワ!(笑)

キダ:「おはようメーン! ワサッ!」って(笑)。

ヒロミ:嫌われるやろうなあ(笑)。でも、ホンマに楽しみですね。毎回ぶっ壊すつもりでライヴをやろうと思うんですけど、他のバンドとも仲よくなれそうなのも楽しみです。

コマキ:「列伝 JAPAN TOUR」に出ることが決まった時が、バンドにとってひとつのターニングポイントになって。それこそデット・オア・アライヴじゃないですけど、出る順番がトリだろうが、頭だろうが、真ん中だろうが、やっぱり頭ひとつ抜けてカッコいいと思われたいし。ライヴが終わってみて、お客さんがTwitterで「tricotがよかった!」ってつぶやくようなライヴをやりたいと思います。単純に上手いとか下手とかそういうレベルの話じゃないところで、初めてtricotのライヴを観る人も、何回も観たことがある人も惹きつけるようなライヴをやりたいと思います。

——最後に、tricotがバンドとしてこれからも絶対に貫いていきたいこと、譲りたくないものを教えてもらえますか。

イッキュウ:やりたくないことをやらない、ですかね。たとえば売れるためだけに何かするとか。お客さんが喜んでくれることはやりたいですけど、自分らがやりたくないことはやらないです。

キダ:(イッキュウと)まったく同じことを考えていたんで、笑いました(笑)。うん、やりたいことだけをやり続けます。

ヒロミ:私も同じような感じですけど、いまもいい意味で自由に、自発的にやりたいことをやっているんですけど、そこはブレずにいたいですね。

コマキ:俺も同じやなあ(笑)。いま自主レーベルで、正直財政的には厳しいなか(笑)、活動を支えてくれる仲間が増えていて。その"チームtricot"として、アンチ・メジャーとかそういうことではなく、バンドがいちばん楽しく、周りにいてくれる人も楽しくやれるような環境をこの先も作っていきたいと思います。

お祝いケーキ お祝いケーキ2

PowerPush!恒例企画 お祝いケーキSHOT

text:三宅正一  photo:依田純子

【tricotのルーツミュージック】は次のページで!

【tricotのルーツミュージック】

中嶋イッキュウ

中嶋 イッキュウ
The Beatles/「Ob-La-Di, Ob-La-Da」

高校の軽音学部に入ってから、ビートルズのコピバンをやって。その時にいろんな曲をコピーしたんですけど、この曲がいちばん印象に残っているんです。楽しいけど、どこか変というか。そのバランスがめっちゃ気持ちいいですね。

キダ モティフォ

キダ モティフォ
椎名林檎/「勝訴ストリップ」

曲もアート・ワークも、作品の隅々まで林檎さんのこだわりが注がれていて。曲の配置がシンメトリーになっていたりとか、収録時間が55分55秒だったりとか。中学生の時に初めて聴いたんですけど、すべてが衝撃的でしたね。

ヒロミ・ヒロヒロ

ヒロミ・ヒロヒロ
Sound Schedule/「456」

高校に入ってからバンドを始めたんですけど、ヴォーカルの子がSound Scheduleが大好きで。その子をきっかけに私も聴くようになって、ハマって。ライヴに行ったり、ベースもいっぱいコピーしました。私がバンドをやる最初の力になった1枚です。

komaki♂

komaki♂
Erik Satie/「ジムノペディ」

僕はもともと吹奏楽やクラシックを勉強していた時期があって。それもあってか、自分のことを普通のドラマーやと思っていないところがあるんです。昔から旋律が見えるようなドラムを叩きたいと思っている自分がいる。そういう意味も込めてErik Satieの「ジムノペディ」を挙げました。

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