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      2012年1月のパワープッシュアーティストは…

      「バイマイサイド」 / Hemenway

      2012年1月のアーティスト

      Profile

      Vo&Gt  Isaac (アイザック)
      Gt  Charm (チャーム)
      Ba  Ogaching (オガチン)
      Dr  Toshi (トシ)
      マサチューセッツ州ボストンのバークリー音楽大学で出逢った4人。2008年に卒業後、L.A.でソングライティング・チームを組んだ韓国系アメリカ人の Isaac & Charm の2人は、自分たちが大好きで多大な影響を受けたJapanese Rock & Popsシーンが在る日本での活動を熱望し、2010年夏に来日。そこで同級生だったToshi& Ogachingの2人と再会し、バンド“Hemenway”を結成。本格的にLiveと制作活動を始める。「Hemenway」とは、ボストン市内に実在するストリート・ネームで、 4人ともその周辺に住んでいたというエピソードから命名された。日本のカルチャーをこよなく愛し、[日・英・韓]の3カ国語を自在に操る新感性が、あらたな潮流を作っていく。

      Power Push! Interview

      2011年11月に彗星のごとくデビューした4人組バンド、Hemenway(ヘメンウェイ)。米・ボストンのバークリー音楽大学で出会った、韓国系アメリカ人の2人( Isaac & Charm)と日本人2人(Toshi& Ogaching)からなる多国籍バンドである彼らの結成の経緯から現在に至るまでをメンバー全員に語ってもらった。

      みなさんの出会いはバークリー音楽大学だそうですけど、どんな学校なんですか?

      Isaac(Vo):学校って感じはあんましないですね。アメリカの大学っていうと、キャンパスがあって木が立っていて、ってイメージかもしれないですけど、バークリーは都心のビルに入ったら学校があるような感じで。

      Charm(Gt):都市自体がキャンパス、みたいな。

      やはり、音楽に没頭できる環境なんでしょうか。

      Toshi(Dr):そうですね。先生だけじゃなく、生徒もレベルの高い人たちが集まっていて、しのぎを削っているんですよね。生徒でも先生より上手い人もいるし、外でバンバン音楽の仕事をしている人もいっぱいいるんで、そういう意味ではいい環境ですね。

      そういう中で、どうやって4人は知り合ったんでしょうか。

      Toshi:最初に出会ったのは僕とOgaching(B)で、大学のいろんなプロジェクトで一緒になったりしていたんです。で、その後に入学してきたCharm(G)と僕はルームメイトだったんです。

      Charm:それで、Isaacとは、卒業する半年前くらいにGIGで共演して、日本の音楽が好きだって聞いたり、共感することも多くて、急激に仲良くなって。で、Isaacの家族が引っ越して、二人とも実家がロスになったので、卒業してから一緒にロスに帰ることになって、そこでソングライティングをずっと一緒に続けていて。

      Toshi:僕は、IsaacとはCharmの家でレコーディングしている時に二回くらい会って。あ、日本語喋れるイケメンの韓国系アメリカ人が来たな、って思っていたんだけど。

      Isaac:恐縮です(笑)。Toshiくんもイケメンでしょ?

      Toshi:ありがとう(笑)。

      Charm:……失礼しました(笑)。

      (笑)。正式にHemenwayとしてはじまったのは?

      Isaac:卒業してから、Charmと二人で作った音源をソニーに送ったら、やってみないかって返事がきて、それがキッカケで来日して、そうしたら、たまたまこの二人(OgachingとToshi)も卒業して日本に帰っていたので、いいタイミングだったんです。初リハが結成になるのかな?

      Charm:それが、2010年の8月だったんです。まだ一年半経ってないですね。Toshiくんとは、ボストンでルームメイトだった時にもし僕が日本で何かやることがあったら、ぜひ一緒にやろうって話はしていて。こういうありがたいことになるとは思わなかったんですけど。

      でも、バークリーに入ったということは、ずっと音楽を続けたかったり仕事にしたかったんですよね。

      Ogaching:それは間違いないですね。

      じゃあ、デビューできたことはとても喜ばしいというか。

      Toshi:非常に喜ばしいです(笑)。

      Charm:奇跡だよね。

      それにしても、IsaacさんとCharmさんは、アメリカや韓国という選択肢もあった中で、デビューの場所を日本に選んだのは何故なんでしょうか。日本語もお上手ですし。

      Isaac:いやいや(笑)。やっぱり、小さい頃から日本の音楽が好きだったんですよ。それに憧れて音楽もはじめたので、やっぱ日本に行きたい気持ちは小さい頃からあったんですよ。日本で活動したいから、日本にデモを送ったし。

      Charm:個人的に、アメリカにいる時からの印象なんですけど、サブカルチャーと呼ばれる音楽性のはずなのに、それが日本ではメジャーなものになれるっていうことが、僕は凄くショックだったんですね、いい意味で。その文化は素晴らしいなって。アニメとかゲームっていう文化にも憧れていたし。こう言うと変ですけど、僕が作っている曲って、自動的に日本っぽく聴こえることもあったし、自分はそういうのが好きなんだな、これしかないなって思うくらいだったんです、選んだわけじゃなく。

      音楽活動をやるなら、日本という舞台しか考えられなかった?

      Charm:そうですね。

      Isaac:うん、アメリカでは別にやりたくなかった。

      Charm:日本には、サブカルでも凄くいい曲がいっぱいあった気がして。アメリカだと、ビルボード向けじゃない曲は、聴き慣れない感じがあったんですけど、日本だとそんな音楽も普通に耳に入ってくるんですよね。

      それはToshiさんやOgachingさんにとっては、新鮮な視点じゃないですか?

      Ogaching:そうですね。僕とかToshiくんは、中高生の頃から洋楽に憧れてきたので、楽曲を作る時も、そういうエッセンスを如何に取り入れるかって考えているんですけど、逆に彼らは凄くJ-POPの影響を受けているので。

      Charm:僕らにとっては、そっちが洋楽ですから(笑)。

      Ogaching:そうだね(笑)。それで、僕たちの知らないJ-POPを知ってるんですよね(笑)。

      Toshi:ルームメイトの時も、これいいよって持って来るCDがだいたい邦楽で(笑)。僕なんかあっちの音楽にハマっていたんで、逆に気付かされたっていうか。アニメとかでもそうなんですよね。

      二人とも、アメリカで調べて入手していたんですか?

      Isaac:僕はコロラドっていう凄く田舎に住んでいて、当時はインターネットもなかったんですけど、兄がL'Arc〜en〜CielさんのCDを持っていて、初めて日本の音楽を聴いたんですよ。ただ、なかなか手には入らなかったですね。ニューヨークやロスには紀伊国屋があるんですけど。

      Charm:ロスだったらリトル・トーキョーがあって、借りることもできるんで。テレビ番組とかもVHSを借りて見たりして。

      じゃあ、日本語はそうやって学んだんですか?

      Isaac:僕は小さい頃から日本語を勉強していたんです。上手くはないですけど。何となくコミュニケーションがとれるレベルですよ。

      Charm:逆に、僕は全然習ったことがなくて。大学生の時に、Toshiくんと住んでいたことで勉強になったんですよね。でも、去年日本に来た頃は、コンビニの人が何を言っているかもわからないくらいだったんですけど、住むと上手くなるなって(笑)。

      Ogachin:上達の早さが半端じゃなかったですね。元々、韓国語と英語を話せるバイリンガルだから、他言語を習得することに長けているんじゃないですか。

      Toshi:最初はリハも英語とかでしたけど、今は日本語ですからね。

      Charm:いやいやいや!

      その謙遜も日本に馴染んでいる感じがします(笑)。歌詞も日本語詞ですもんね。

      Charm:今回の『バイマイサイド』の歌詞は僕とToshiくんの共作なんです。僕がロスで書いた時は、日本語がめちゃくちゃだったんですけど、それをToshiくんに、文法的に変なところがあったら直してもらって。

      Toshi:日本人にはない発想がいっぱいあったから、そこを消さないようにするのと、後はサウンドに拘りがあるんで、整合性を消さないように考えましたね。母音を変えずに、よりよいニュアンスで単語を嵌めていくっていう。一から考えるのとは違う難しさがあったんですけど、楽しかったですよ。Charmのよさを生かしつつ、詩的ないい歌詞にできたんじゃないかな。告白して景色が変わっていくっていう、明確なストーリーがあって、二人称が《あなた》から《君》に変わるんですよ。そういう細かい拘りは随所にあって。

      Ogachin:日本人なら、君だったら君のままとか、一貫している方を好みますよね。そこで変えていくのが面白いなあって。

      確かにそうですね。サウンドに関しても、ポップだけど拘りがありそうですね。

      Toshi:バンド自体のテンションと、歌詞の意味がリンクするように考えましたね。《答え ありがとうね》からは、シンバルを使わない、オトし気味のアレンジにして盛り上がっていく感じにして。アレンジする上で、ドキドキ感を楽曲でどうサポートしていくかっていう面白味もあったので、ぜひそういうところも聴いて欲しいですね。

      そもそも、Charmさんはどんな思いでこの楽曲を作ったんですか?

      Charm:個人的に、ちょっと暗い時期だったんですけど、気分転換もできるし、明るくさっぱりしている曲を作ってみようと思って。こういう時がまた来たらいいと思って。

      Ogachin:希望的観測?

      Charm:そうそう。今は大丈夫ですけど(笑)。

      歌詞も曲も明るいですけど、状況は逆だったんですね。歌詞のテーマでいうと、告白ですか?

      Charm:そうですね。

      Isaac:僕も歌う時は歌詞通りに、恋する相手に歌う感じですけど。実際これが『NARUTO-ナルト-疾風伝』のエンディングテーマになって、その反応を見ていたらいろんな解釈があって。ナルトがサスケを思う気持ちとリンクしている、というファンの方々の感想を読んだりして。

      Charm:いろんな解釈してもらっていいと思いますね。

      Ogaching:根っこの部分ではリンクしていますよね。大切な相手に傍にいて欲しいっていうところでは。

      Toshi:その本質的なところを感じとってもらえているのがわかると嬉しいですよね。

      Ogaching:意外でしたけどね、そういうふうにとるんだ?って。

      Charm:面白いのが、僕たちもスタッフも、この曲からは青空が想像できて、MVもそうなったんですけど、『NARUTO-ナルト-疾風伝』の映像では、夜で雪が降っていて。絵が違うだけでイメージが違うんだなって。

      MVは青空もセスナも、全てが爽やかですよね。

      Isaac:MVの清水監督がセスナのアイディアを出して。バンドもスタッフもいいんじゃないかって話になって。そもそもは監督の希望は戦闘機だったんですけど、許可とかがあってセスナになって。

      Ogaching:とにかく飛行機を飛ばしたいっていう(笑)。

      Charm:ちらっと見ても印象に残って欲しいのは、青さと爽やかさ。それだけでも残れば成功じゃないかって。それはできてるんじゃないかなと思います。まだわかんないけど(笑)。

      セスナのかなり近くで撮影されてますけど、迫力があったんじゃないですか?

      Isaac:僕はセスナと一緒にジャンプをするシーンがあったんですけど、飛行機との距離が近くて、怖かったですね。初ロケだったし、時間の制限もあったんで、ちゃんとやらなきゃっていうのがあって。怖さよりやんなきゃっていう感じでしたけど(笑)。

      Charm:今思いだしたんですけど、セスナの前に4人が立っているイメージショットがあって、セスナとメンバーが近いので、下手したら怖いので……。

      Toshi:逃げる方向をチェックして。Ogachinが一番プロペラの近くに立っていたんですけど、逃げて下さいって言った時にプロペラの方に行かないか心配していましたね。

      Ogaching:行かねえよ!(笑)。

      Charm:(撮影を)見ている人があ!ってなってたら逃げようって(笑)。

      そんなハラハラした瞬間もあったMVが(笑)、POWER PUSH!に選ばれました。

      Toshi:昔から見ていたので思い入れがありますね。スペースシャワーTVが見たくて親にケーブルテレビを引いてくれってお願いしたこともあったので(笑)。

      Charm:アメリカにいる時からスペースシャワーTVを知っていたので、嬉しいです。

      これからも、この4人ならではの楽曲を聴かせてくれることを、楽しみにしてますね。

      Charm:Hemenwayにしかできないことを考えていて。僕たち日本の育ちじゃないので、ホームグラウンド・アドヴァンテージはないですけど、でもJ-POPを客観的にジャッジして、ここはいい、ここはイマイチって判断できるから、僕たちの解釈の新しいJ-POPを作れるんじゃないかなと思っています。それが僕たちの色になればいいですね。ただ行き過ぎるとJ-POPにならないので、いいバランスになるようにしていくことがメインテーマです。

      Toshi:みんなでよく言っているけど、ありそうでなかったっていうのがテーマだから、王道を行きつつ、この4人にしか出せないカラーを感じとっていただけているなら嬉しいですね。これからもどんどんそういう楽曲が増えていくと思うので、ぜひ注目して欲しいですね。

      PowerPush!恒例企画 お祝いケーキSHOT

      text:高橋美穂  photo:平沼久奈

      【Hemenwayのルーツミュージック】は次のページで!

      【Hemenwayのルーツミュージック】

      avengers in sci-fi

      Charm
      ASIAN KUNG-FU GENERATION「ファンクラブ」
      曲を作ったりアーティストになりたいと思ったキッカケが、このアルバムで。アメリカで、日本のチャートをインターネットでチェックしていたんですけど、『ワールドアパート』っていうシングルが一位になったことが、いい意味でショックで。曲を聴くと決してポップではないじゃないですか。でも凄くいい曲で。そのギャップに惹かれたっていうか。このことが、僕をもっといい方向性に持ってきてくれたんですよね。

      avengers in sci-fi

      Isaac
      L'Arc〜en〜Ciel「Clicked singles Best 13」
      アジカンもですけど、うちのレーベルの大先輩ですね。それまで日本の音楽には興味がなかったんですけど、「HEAVEN'S DRIVE」を聴いたらめちゃめちゃカッコよくて、それからL'Arc〜en〜Cielの曲を聴くようになって。特にこのアルバムは、とにかくキャッチーでL'Arc〜en〜Cielっぽい曲がいっぱい入っているので、よく聴きましたね。ヴォーカルやろうと思ったのも、hydeさんの声が好きだったからなんです。田舎の家には地下室があったので……蜘蛛も出るような汚いところだったんですけど(笑)、このアルバムの歌詞を見ながら覚えて歌っていた思い出もあります。

      avengers in sci-fi

      Ogaching
      NIRVANA「IN UTERO」
      僕は、カートが死んだ後にNIRVANAを好きになったんです。死んだことも知らずに、バンドはじめようぜってなって、それがNIRVANAのコピーしかやらないバンドだったんですけど。最初は「NEVERMIND」を聴いていたんですけど、その後にこれを聴いて、彼らの歴史も知ったんです。酸いも甘いも知って作ったアルバムだからか、アンダーグラウンド感もあって、音も声も生っぽいし。僕、それからニルヴァーナおたくになって、ボロボロの服まで着ていたんですけど(笑)、カートがやりたかったことはこっちだと思う。これと「NEVERMIND」がバンドはじめたキッカケで、全曲コピーしましたね。

      avengers in sci-fi

      Toshi
      椎名林檎 「勝訴ストリップ」
      中高生の頃は洋楽を凄く聴いていて、何だったら邦楽に興味がなくて。でも大学に入った当初くらいに、このアルバムを兄から聴かせてもらって、凄く衝撃的だったんですね。洋楽の良さを越えた、また違う良さを感じたというか。でもロックの魂もあるし、プレイも音もカッコいいし。僕にとっては、洋楽至上主義みたいなところから、邦楽に目を向けさせてくれたアルバムなんです。歌詞も然りですね。インタヴューで読む本人のスタイルもカッコいいと思いました。

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